婚活は値踏み地獄

出会いがないと嘆くのは甘えだと自分に言い聞かせ、必死で合コンに参加すれば、自分より若くて可愛い女の子たちの前でどんどん自信をなくして卑屈になっていく。

婚活中はまるで、戦場の最前線に立つ足軽のような気持ちだった。世は婚活戦国時代。出会った異性を値踏みし、当然こちらも値踏みされる。「みんな違ってみんないい」や「世界にひとつだけの花」といったハートフルな世界からかけ離れた、殺伐とした争いである。

顔面偏差値、若さ、スペック、30歳を過ぎて独身の人にマトモな人は残ってないという呪いの格言。値踏みの要素はたくさんある。
そんな中で数ある値踏み要素に惑わされないための唯一の手段は、己の中にハッキリとしたストライクゾーンを持つことだと思った。いいんです、もう。値踏みされることは確かにすごく嫌な気持ちだけど、わたしはたった1人、ストライクゾーンに立つたった一人にめぐりあい、愛し愛されて生きていくんだから。金子みすゞとスマップと、小沢健二を忘れないで。

わたしは今も、理想が高く、可愛げがなく、理屈っぽく、ガサツで家庭的でない。恋した相手と結婚したし、夢を見るのが大好きで現実をしっかり見極めているとは言い難い。しかも、婚活に躍起になっていたからこそ、オットに出会えた。外野のアドバイスは本当にアテにならない。

約30年生きて、働いて、ときに恋をして、泣いて笑って生きてきた。子供を産むか否か、これからの10年が別れ道になるといっても過言ではないし、結婚や出産は女の人生を大きく変化させる。大いに悩み、自分にとっての幸せを考えていきたい。

これからも外野の妄言は、「そうかもね」と笑って受け流していくつもりである。

Text/うろんちゃん

初出:2017.02.22

次回は <離婚しない自信なんてあるわけないよ? 新婚ホヤホヤ女子、ドラマ「最高の離婚」を観る>です。
自分が離婚しない自信なんて持っていないといううろんちゃん。新婚早々、同居を始めたばかりの夫に視聴をすすめているのはドラマ「最高の離婚」だそう。人気放送中のドラマ「カルテット」と同じ脚本家が描く本作が気づかせてくれる、「夫婦」という家族の特殊なあり方とは?