「うまく話せないなら装ってもいいじゃない」新生活演技のすすめ

4月といえば新学期新生活で、みんな出会いはどんな感じ〜? 新しいキャラやってるぅ? 私はというと、新生活もクソもない。ただ延々続く大人の毎日を歩き続けているよ。人生。それでもやっぱり、どこかで「新生活」を始めてみたくなる。クラス替えのドキドキや、新しい仲間たちとの顔合わせ。それに備えての買い物と精神統一。全部めっちゃ大変だったけど、なんだかんだで楽しかったもんな。

現在の自分なりにそれを体験しようとすると、新しい現場に入った時がチャンスだ。というわけで今回は、私が現場で「はじめまして」をやる時に使いがちなキャラを紹介しようと思います。身を切るってのはこういうことを言うんだぜ。

初対面……それは、お互いがお互いにレッテルを貼り付ける瞬間とも言える。貼りたくないけどどうしても、第一印象で「この人は優しそう」とか「気をつけたほうがよさそう」って思ってしまうのが人のサガだ。そして、その第一印象をコントロールしたくなるのもサガなわけで、マジでここ1番の大勝負である。若い頃は「誤解されたくない」とか「嫌われたくない」と考えがちだったけれど、30歳にもなると考え方は変わってくる。私が今、第一印象で喉から手が出るほど欲しい感想は「接しやすい」だ。あ〜接しやすいと思われてぇ〜。「この人といるのは楽そう」って、肩の力抜かせてぇ〜。好きとか嫌いとかどっちでもいいから、とにかく「働きやすい」と思われたいのである。そのために、役を演じる以前に接しやすい人間を演じる。私が最も使いがちなキャラクターはこれだ。

「接しやすい」を作る3人のキャラクター

あけみ 42歳 
全てのことにガサツな女。すぐに文句を言うが、深い意味はない。思ったことをすぐ言う。
好きな食べ物はボンレスハムで、嫌いな食べ物はそら豆。

我ながらバカさに笑けてきますが、このキャラはマジで使いやすいからおすすめ。実年齢がいくつであろうと「42歳のベテランである」という意識を持つこと。ガサツなキャラってのは演じる側も楽だ。親しさを感じたらすぐにタメ口を使い始めたり、誰も興味がない「昨日見た夢の話」などをするのも楽しい。「あ、この人頭ガバガバなんだな」と思わせたら成功である。コツとしては、少し大きめの声で話すことと、かなり大きめの声で笑うこと。ぶっきらぼうな話し方をする代わりに、こまめに「ごめんね」と「ありがとう」を言うのも忘れないで。この二つの言葉がタメ口なのもポイントです。
このキャラクターが成立した場合、ほどよく相手の緊張が解ける。同時に、人に頼ってもらいやすくもなる。恋愛としての「モテ」を得たいならオススメしないけれど、そうでないモテ方を望む場合とてもオススメです。

二つ目のキャラクターはこちら。

みなこ 33歳
省エネ運転な女。無口であまり動かない。「〜かしら」などの語尾を使い、独特の落ち着きがある。好きな食べ物は焼き浸しで、嫌いな食べ物はキウイ。

恥ずかしいからこの原稿を今すぐ葬りたい。このキャラは、少し緊張を伴う局面での使用を勧める。怖くて大きな声が出ない状態を、普段から囁くように喋る人ってことにする。同時に、身体の強張りを独特のポージングに変換。身体のどこか一筋が、悲鳴をあげそうなほど伸びているのを感じながら過ごそう。発言するのが怖い時は口に手を添えたり、髪の隙間から相手を覗いても良い。
異常に恥じらいの強い大人のお姉さんに大変身だ。
「みなこ」が成立すれば、十中八九勝手に癒しキャラになっている。ぼーっとしているだけなのにホワホワしていると表現してもらえたり「なんか落ち着く」と思ってもらえるだろう。あと、よく知らない人からモテやすい。
大人のキャラクターはまだちょっと難しいよ……という人にオススメしたいのが、三つ目のキャラクター。