「ふつう」のオナニーとは何だ

「シコる」の女性版の発明だなんて、きっとBetsyさんOLIVIAさん菊池美佳子さんアルテイシアさんたちに任せたほうがいい案件だが、私もちょっとだけ考えてみよう。

 試しに「男=シコる 女=???」というスレッドのまとめを見てみると、「ほじる」の得票数が高そうだ。
下品さが逆に良いとも思うのだけれども、流石に下品すぎるかもしれない。そもそも、中派のオナニーにしか使えない言葉ではないか。

 じゃあ外派のことはどう言えばいいのだろう。このスレッドでは「さする」「転がす」「こねる」が挙がっているが、どうもあまりピンとこない。
というか、中派も外派もどちらも使える一語があったほうがいい。スレッドに挙がっていた「クチュる」も惜しい感じがして、私は「潤す」はどうかなと思った。ポジティブな響きがあって言いやすいし、液体のイメージが「抜く」と対応する。
ただ「潤す」には、「シコる」にある滑稽味や、「やおい」や「腐女子」にある自虐のたくましさがない。言いやすいだけであって、言いたくなる感じがないのがちょっと欠点だ。それに、これでは男のオナニーを「勃たせる」と呼ぶようなものか。

 うーん、「平均的」で「一般的」で「ふつう」のオナニーを指せるちょうどいい言葉はないだろうか……と考えたところで、女性の「ふつう」のオナニーとは何なんだ、とはたと思った。
私が男だから「ふつう」を知らないという話ではないと思う。女性も「ふつう」なんて知らないのではないだろうか。

 いや、待てよ、私は男の「ふつう」こそ知らないのではないか? むしろ、女性のオナニーは『an・an』のセックス特集やAMのようなWEBサイトでハウツーがいくらでも見つかるのに、男性のオナニーこそ、「みんな知ってるでしょ?」という暗黙の前提のせいで誰も「ふつう」なんて知らないのではないか?

「女性のオナニーを指す動詞がないから女性はオナニーを語りづらい」という話をここまで書いてきたのに、私は頭がぐらぐらしてきた。
そんな今フラッシュバックしたのが、自分のオナニーの仕方を反省した、一昨年のTwitterでの出来事である。