未来はわからないけれど、アップデートされていく

永住権目当てに手っ取り早く誰かと結婚して一緒に暮らしても、当然うまくいかないだろう。となると、己の力でなんとかせねばならない。そのためには永住権取得の審査をスマートにパスしていく必要がある。国によって審査の中身は異なるけれど、永住権を得るには流暢な母国語の取得と高額な納税はマスト。あとはコネと学歴・職歴と言ったところか。気になるのであれば調べてみて欲しいけれど、外国人が簡単に住むことができない仕組みになっている。当然、難しい(もし、情報が違っていたらスミマセン……)。

日本でも最近外国人の方が働く姿を目にするようになった。ただ、日本より貧しく、厳しい生活を強いられている家族が自国に残ったままであることを考えると、いずれ国に帰るのかもしれない。中国には「出産ツアー」というものがあり、子どもにアメリカ国籍を取得させるために高額なお金を支払ってわざわざアメリカで出産することもあるそうだ。最近は取り締まりが強化されているらしいが、すごいよねえ……。さまざまな人の暮らし・背景もあるし、文化と言葉、気候が異なる土地で暮らしていくことがいかに大変なことなのかということがわかる。

10年前にパスポートを取得したとき、「こんなにたくさんのページが埋まるのかな?」と思っていた。けれど、その10年間で私は海外に行きまくり、増刷までしてしまった。こんなことになるなんて当時の私は想像すらしていなかったのだから、5年後、10年後、そしてその先の人生なんてどうなるかわからない。だから、なんとも言えないけれど、私はきっと日本で生きていくのだと思う。

日本は、もう駄目なのかもしれない。わからないけど、劇的に生きやすくなることはあまり考えられないだろう。何か問題が起きたとき私は声を挙げていくことしかできないし、私ひとりが何か言ってみたところで劇的な変化がもたらされることもない。「面倒くさい女」だと思われるかもしれない。それでも、私は私の意見を貫き、少しずつ周囲の環境を整えていくしかないのだと思う。

活動家のグレタ・トゥーンベリさんだって、少し前に話題になった「保育園落ちた。日本死ね」の方だって、はじめはたった1人の活動であり、ただの個人の発言だった。でも、ひとりの意見が大勢の心を動かすこともある。あそこまで大規模になることはないかもしれないけれど、私たちは日々さまざまな意見を取り入れ、価値観はアップデートしていく。ジェンダー問題なんて特にそうだと思う。

私たちがもっと年齢を重ねたとき、日本はどうなっているんだろう? 想像ができない。今より少しでもよくなっていくことを信じて、ひとりひとりが声をあげ続けるしかないのだ。

Text/あたそ