他人を気にせず、ぼんやり過ごせる貴重な場所。高円寺「ルネッサンス」

ちらちらと雪の舞う瞬間もありましたが、東京ではしばらくの間雨も降らず、寒さに加えて乾燥が気になるこの頃です。インフルエンザも流行しているようですが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
楽しい散策の後には、うがいと手洗いで予防を。冬の純喫茶ではあたたかいココアなどを飲みたくなりますね。

一人でぼんやり過ごせる場所

さて、好きなお店や行きたいお店は、その時の気分や目的、連れていく誰かによって日々変わるものですが、純喫茶を愛する皆さまには「ひたすら一人でぼんやりして過ごしたい日はここ」と思い浮かべる大切なお店が必ずやあるのではないでしょうか? 私にもあってその中の一つが、かつて中野にあった伝説の名曲喫茶「クラシック」の息吹を今に伝える高円寺の「ルネッサンス」です。

難波里奈純喫茶画像

JR高円寺駅南口を出てPAL商店街を歩き、屋根がなくなってから少ししたところの角で左を見ると、「音楽室と珈琲」と書かれた黄色に光る看板が見えてきます。もともとは米倉庫だったというこちらは、かつてクラシックで働いていたお二人の熱い気持ちによって開店しました。クラシック閉店後、「店内のものが処分されてしまうのは忍びない」と阿佐ヶ谷の名曲喫茶ヴィオロンのマスターなどのお力添えもあって保管された家具たち。「いつかお店を開けたら」と他の仕事をしながら開店を目指したそうです。

難波里奈純喫茶画像

一度でもクラシックを訪ねたことがある人ならば、扉を開けた時の懐かしいような視界に涙さえも出てしまうのではないでしょうか?

難波里奈純喫茶画像

クラシックのマスター、故・美作さん手作りの個性的なランプや当時を思い出させる家具や美術品が至るところに飾られているのです。長い時間を経て亀裂の入ってしまったテーブルやスプリングが壊れてしまって必要以上に沈み込んでしまう椅子もありますが、それさえも魅力でわざわざその席を好んで座る人もいるそう。

難波里奈純喫茶画像

店内中央には黒板が吊るされ、自分のリクエストしたい曲を書き込むこともできます。本棚には様々な種類の本が並んでいるので名曲たちに耳を澄ませながら読書に耽るのも。食事メニューはなく、入店と同時に珈琲・紅茶・オレンジジュースの3種類の中から選んで券を購入するシステムで、好きな席に腰を下ろして待っていると運んできて下さいます。それぞれに仕切られた席たちは、他人を気にすることなくいつまでも座っていられそうな居心地の良さ。

ただのんびりしたい、と思った日の帰り道にはこちらで「素敵なぼんやり」を楽しむのはいかがでしょうか?

Text/難波里奈

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