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  • 2015.07.04

既婚者の恋人が踏み込んではいけない「ふたりの生活」とは

自分の愛の正当性をアピールして、不倫相手の配偶者にまで踏み込んではいけません。2人には2人の生活があり、それはただ単に「人の家庭に対して余計なお世話」でしかありません。

既婚者が配偶者以外の男性と付き合うこと

大泉りか 官能小説 人妻は不倫の夢を見るか
Laura Borges-Ribeiro

 男性であれ女性であれ、既婚者が配偶者以外の異性と付き合うことの是非に関しては、それぞれの事情や愛や生き方があるので、特に否定も肯定もしたくない。
もちろん常識的に言えば「いけないこと」だろうし、そんなことをするなら「結婚なんてしなければよかったではないか」というのが正論ではあるが、けれどすべての人間がそんなに崇高な生き方が出来るわけでもない。

「結婚してひとりの人間と添い遂げること」は美しいことだと思うけれど、それに縛られるあまり、不幸になるのは少し違うと思うし、配偶者以外の異性と付き合うことで、上手く生きるバランスが取れるのならば、それは当事者にとっては致し方ないことだとも思う。

 しかし、致し方ないのは、あくまでも当事者にとってのみ、配偶者をそこに巻き込むのは如何なものだろうか。いわんや、配偶者にとって、本来はまるで関係のない不倫相手が巻き込むのは論外だと思う。

 ある時のことだ。既婚者の男性と、何年にも渡ってお付き合いしていた未婚女性の知り合いが、お茶を飲んでいる最中に、こんなことをわたしに漏らした。

「既婚者と付き合ってよかったのは、わたしも独身男性と『本命』として付き合っていた時は、関係にあぐらをかいていたということを知ったこと。『本命』や『奥さん』はやっぱりそういうものなんだよね。恋人や旦那さんとの関係にあぐらをかく」と。

 ひとりの既婚の女として「あぐらをかいている」と言われたら面白くないことは、確かだ。けれども、違う場所にいる人には、まるで違う風景が見えていることもある。ならば、それはどういう風景なのかを探りたい。なので、「それってどういうこと?もう少し説明を」と尋ねたところ

「結婚しているという事実に浸かりきって、奥さんの家での態度がひどいみたい。奥さんがそうだからこそ、わたしが彼に求めらた……(以下略)」

 というので、こちらとしては「あぁ、結局愛されているのは、自分の方だということを主張したかったのね」と思う一方で、「奥さんの、夫に対する家での態度をどうやって知ったのか。男の口から出たそれをなぜ真実だと信じられるのか」と若干鼻白んだわけですが、さて、我が身を振り返ってみると、夫に対してわたしは、果たして『あぐら』をかいているのだろうか、ということです。

既婚者の恋人が踏み込んではいけない関係

 落ち着いてから考えてみたが、家でスッピンだったり、ノーブラでいることは『あぐら』に入ると思います。なにか話しかけてきた時に、仕事や家事に忙しく、生返事を返すこともあれば、理由なくイライラして当たることもあるし、機嫌が悪くて冷たくしてしまうことだってある。「好き?」と聞かれて「フツー」と返したり……うん、思い出せば出すほど、『あぐら』としか言いようのない言動ばっかりだ。

 しかし、『生活』を送っていく上で、いつも男に女として評価されることだけを考えてはいられない。もちろん、『いつも優しく、可愛く、綺麗でいる』なんていうことが自然に出来る人もいれば、努力してしている人だっているだろう。
けれど、せっかく結婚というものをして家族になると決めたのだから、そういう『女らしい配慮』であったり『女ならではの姿』ばかりではなく、もう少し『人間』というところにフォーカスを当てるような関係を築いくことに挑戦していきたいとも思う。

『あぐら』を、自分を律することだけに使うのならばいいけれど、他人に対して、自分の恋愛の正当性をアピールするために使うのならば、正直なところ「人の家庭に対して余計なお世話」なのではないだろうか。

 自分が未婚であるか既婚者なのかは問わず、“既婚者の恋人”には、配偶者との『ふたりの生活』があることを理解して、そこには踏み込まず、自分とはまったく関係ないものとして、切り離せられる人でないと、ダブルであれ、一方通行であれ、不倫はつらいのではないですかね。

…次回は《突っ込んだだけで気持ちいい男性器がある!?肉食系人妻がセックスで求めるもの》をお届けします。

Text/大泉りか

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ライタープロフィール

大泉りか
キャバ嬢、SMショーのM女、ボディペインティングのモデルなどの経歴を経て、現在は官能小説家、ライトノベル作家。

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