夫婦は持ちつ持たれつで成り立つ、思いやりありきのチーム

そもそも、あなたの収入と家事能力について、旦那さんは結婚する前からわかっていたはずです。
結婚した瞬間に収入が上がるわけでも家事が上達するわけでも、子供が生まれた瞬間から両立できるようになるわけでもないということはわかりきっていること。
それをわかったうえで、あなたと結婚したのでしょう。
相談文には「夫に結婚したことを後悔されているのではと思ってしまう」「自分には笑顔を向けてくれていない気がする」と書かれていますが、それはあくまでもあなたの推測の範疇です。
好きで結婚した相手に「自分と結婚しなければ、もっといい奥さんと幸せに暮らしていただろうな……」と申し訳なく思われていたら、旦那さんはとてもつらいのではないでしょうか。
だから、どうかそんなかなしいことを言わないでください。

もしも、仕事も家事も育児も完璧な旦那さんが、あなたを否定するようなことを言っていたとしましょう。
たとえば、「おれはこれだけのことをやっているのに、どうして君はできないんだ」とあなた自身を否定する言葉を冷たく言い放つとか、あなたが危惧している「結婚なんてするんじゃなかった」「君と結婚していなければもっといい奥さんと幸せに暮らしていたのにな」といった内容のことを言うとか。
そういった事実があるのであれば、無理に結婚生活を続ける必要やありません。
むしろ、それはもうモラルハラスメントですから、然るべき場所に相談して早急に逃げることを強くおすすめします。
モラハラを受けている状態で「子供のために離婚しないほうがいい」という考えに囚われるのは非常に危険です。
必ずしも、両親がそろっていることが子供にとっていいとは限りませんから。

でも、そうではなく、「夫より仕事も家事もできない」「だから自分は夫にとって必要ない」という罪悪感や劣等感に起因する「夫は自分との結婚を後悔しているのではないか」「自分と結婚しなければ夫はもっといい奥さんと結婚して幸せになれただろう」という明確な根拠なしに生まれた不安なのであれば、離婚という決断は時期尚早だと思います。

夫婦の間で仕事も家事も育児もきっちり半分こは無理なんです。
旦那さんの収入が600万、あなたの収入が400万。だから家事分担は旦那さんが4割であなたが6割……なんて難しいと思いませんか?
冒頭でお話しをした通り、収入は努力だけでどうこうできるものではありませんし、仕事の内容や拘束時間、細かいことを言えば通勤時間も異なります。
人によって体力の差があり、何に肉体的疲労や精神的疲労を感じるのか、そしてその回復にどれほどの時間を要するのかも違います。
家事や育児は、そもそも数値化できるものではありませんから。

夫婦はただ利害が一致しただけのルームシェア相手ではなく、思いやりありきのチームです。
双方に家庭を維持するための努力は必要不可欠ですが、自分の足りない部分は相手に補ってもらって、相手が苦手な部分は自分が請け負って、で成り立っています。
相手のやさしさにあぐらをかいていいわけではありませんが、思いやりや愛情から見返りなしに相手のためにしてあげたいと思うことも、相手が喜んでくれた笑顔や「ありがとう」の一言で苦労がチャラになる部分もあるんですよ。

夫婦間でできるだけ平等にというのは望ましい関係なのかもしれませんが、その比重は収入や家事などのわかりやすいものだけではなく、精神的なものも含まれます。
たとえば、「パートナーが周囲とコミュニケーションを取るのが上手だから、親戚や子供の友達の親、ご近所との付き合いが円滑になってすごく暮らしやすい。自分はそういうの苦手だから助かってるな」とか、「自分はネガティブで落ち込みやすいけれど、パートナーが明るくていつも励ましてくれるからすごく気持ちが楽になる。外で嫌なことがあっても家に帰ったら元気になれるな」とか、そういった目に見えない“補い”や“助け”もあるのではないでしょうか。

目に見えてわかりやすいもの、一見わかりにくいものを合わせて、思いがけず相手の存在に救われたり、知らないところで自分が相手の救いになったりしながら、夫婦というのは持ちつ持たれつやっていくのだとわたしは思います。

わたしが旦那さんの立場だったら、「自分はなんてダメなんだ」と劣等感を抱きながら、収入も家事もきっちり平等にするために無理をしてしんどそうなあなたの姿を見るよりも、自分のほうが収入が多くて家事の負担が多少大きくても、「えー! ごはん作ってくれたの! ありがとう!」と喜んでくれて毎日笑顔で過ごしてくれたほうがずっとうれしいなぁ。

不安な気持ちを伝えて確認し合うことが解決の糸口に

今回の相談の内容は「劣等感の解消法を教えてください」ということですが、わたしには「劣等感を抱く必要はないよ」「あなたはとてもよく頑張っていて偉いよ」と言うことしかできないのです。

まずは、今の不安な気持ちを旦那さんに話してみてはいかがでしょうか。
その際は、「わたしと結婚したこと、後悔してない?」「わたしと結婚しなければもっといい奥さんと結婚して幸せになれたのに……ごめんね」と自分を責めて旦那さんが答えに窮するような言い方は厳禁。
「一生懸命やっているけれど、どうしても満足のいくようにできない」「できない自分が不甲斐なくてかなしくなる」「どうしたらもっと家事をそつなくこなせるようになるか教えてほしい」といった伝え方をしてくださいね。
旦那さんがどう思っているかを聞いてはじめて、あなたのお悩みは解決に向かっていくはずです。
自分ひとりで解決しようとせず、旦那さんと一緒に解決方法を探してほしいと思います。

しつこいようですが、あなたはこれ以上ないほど、十分に頑張っています。
相談文を読んだだけでもそれがよく伝わってきていますから、一緒に暮らしている旦那さんもそれをわかっているのではないでしょうか。

自己肯定感が下がっているあなたに、わたしは何度だって言います。
あなたはめちゃくちゃ頑張ってるよ! 超偉いよ! 世界一! わたしが100億点あげる!
旦那さんと比べずに、絶対評価でちゃんと自分の頑張りを見てあげてくださいね。

Text/ものすごい愛
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