急激に興味を持ち始めた

SCultures BIG 造形天下一武道会5 -共- 其之一 孫悟空 ドラゴンボール

僭越ながら拙者、小さいころから前半部分のようなことで頭パンパンなのである。

貴様、女児が全員「将来の夢はお嫁さん」と答えるとでも思ったか、と言う話であり、そういう発想の輩が「女の子なんだから、お人形にしなさい」と、女児からロボや、イモータンジョーのフィギュア、ギガホースの模型を取り上げるのだ。後者は親の気持ちもわからんでもないが、押し付けには変わりない。

初恋の人は?と聞かれたら「ドラゴンボールの悟空」と秒で答える私だが、これも厳密に言うと違う。

これは重大なネタバレだが、悟空は作中でチチという女性キャラと結婚する。

その時私は小学生だったと思うが、初恋相手の結婚に、ドストレートに「チチ死ね」と言ったり、「おめでとう幸せになって」と懸命に物分りのいい大人の女を演じたかというと、どっちも違う。

その当時は感情を言葉で言い表せなかったが、今なら端的に言える。

「なにそれ。萌える」

小学生の頃から、二次元キャラと二次元キャラ同士の恋愛にしか関心がなかったのだ。

「三次元の自分の結婚」真逆の要素の集合体である。興味を持てというほうが無理だろう。

そうは言っても、私の妄想でなければ(最近自信がなくなってきた)三次元の男と結婚したのだ。ずっと興味がなかったわけではない。高校を卒業してから急激に興味を持ち出し、23歳の時夫と付き合いだしたので、少なくとも5年はあった。

逆に言うと18歳まで一切なかった。つまり「小さい頃に思い描いていた結婚」というのは本当に存在しない。

夢を見たことがなかったため、今の結婚生活を「思ったのと違う」と思ったこともない。

もちろん、私の感想であり、夫からしてみたら「誤差がでけえ」かもしれないが、それは夫が私の目測を誤っただけだ。

ちなみに、ある程度年齢がいってから「急激に異性に興味を持つ」のは、非常に黒歴史を作りやすい。私もたった5年ぐらいだが、その期間の闇はどこよりも濃い。

持つなら、徐々に、それか一生持たない方が良いこともある、と言い添えておきたい。

Text/カレー沢薫