思いやりを守るために、試行錯誤が大切

一緒に暮らす、それも夫婦で楽しく共存していくとなると、試行錯誤をしなくてはいけません。

相談文に詳細が書かれていないので一概には言えませんが、たとえばあなたの帰宅時間が19時で、彼の帰宅時間が深夜1時だとすると、そこで相手に「仕事がある日も帰ってきたら家事をやってよ!」と言うのはあまりにも酷ですよね。でも、あなたが朝家を出る時間は7時で、彼が家を出る時間は11時という場合になると「じゃあ家を出る前に洗濯だけしておいてね」と頼むことができます。

生活費を全て彼が負担してくれているのなら、あなたが家事の全て担うことに感じ方も変わってくるでしょうし、給料に応じた生活費の負担額を決めて、それに応じて家事の負担割合を変える、といったこともできます。
その他にも、料理は得意な方がやるとか、掃除は場所ごとに決めてやるとか、曜日ごとに担当を分けるという選択肢もあります。
それぞれの生活リズム、勤務形態、給料、生活費の負担額、家事の得意不得意、健康状態、居心地がよいと思える空間の基準……これらをぜーーーーーーーんぶ照らし合わせた上でまずは試してみて、それで生活が回らなかったり、どちらかだけが負担に感じたりするようなら相談して、新たに分担を考え直してみて……という繰り返しです。

そしてなぜ、“試行錯誤”なのかというと、人生にはイレギュラーなことが起こるから。

結婚前にいくら厳密にルールを決めたところで、それを生涯守り続けることは難しい。
もしかしたらどちらかが今の仕事を辞めて専業主婦/専業主夫になるかもしれない、もしかしたら子供を持つことになるかもしれない、もしかしたら転職して在宅ワークになるかもしれない、もしかしたらどちらかの親と同居するかもしれない。
それ以外にも、一時的に体調を崩したり、仕事が繁忙期でいつもより余裕がなくなってしまったり、「今日は特に理由はないけどどうしても家事をサボりたい日なんだ! ぐうたら過ごして自分を甘やかしたい!」といったこともあるかもしれません。
そんなときに「いや、最初に決めたルールをちゃんと守ってよ」なんて、思いやりがなさすぎますよね。

「生きていたらそういうときもあるよね」「今日は自分が代わりにやってあげよう!」という、相手を思いやる気持ちを持ち続けなくては、一緒に楽しく暮らしていけません。
その思いやりを守るために、試行錯誤が大切なのです。

きちんと話し合って、お互いが納得して、試行錯誤を繰り返しているのに、どうしても上手くいかない、そもそも相手が自分と生活するために向き合うことすらしてくれない、ということでしたら、今回の相談はまた違った答えになります。

でも、そうではなく、「自分の気持ちを言う」「彼の気持ちを聞く」といった初動すら起こしていないのに、勝手にイライラして、自己嫌悪に陥って、被害妄想して、落ち込んで……というのは、ちょっといかがなものか?と思います。
客観的な立場であるわたしですらそう思うのですから、一緒に住んでいる彼からすると、そんなあなたの様子に「なんかいきなり機嫌悪くなったんだけどなに??!」と戸惑っても仕方がありません。

怒りは、外に出さずに自分の中に溜めるから怒りになるのです。
火種に気づいた瞬間、その都度建設的な話をしていけば、怒りにレベルアップしない感情はたくさんあります。
ということで、生活をよりよくしていくためには、一刻も早く自分の希望を伝え、彼の意見を聞き入れましょう。

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この連載では引き続き読者の皆さまからの恋愛相談を募集します。
最後の一歩が踏み出せない方の背中をドーン!と押すため、今にも崖から落ちそうになっている人を腕一本で引き上げるため、誰かに厳しく叱られたい方の左頬をフルスイングで打つため、わたくしポジティブゴリラは日々ゴリラらしく腕力を鍛えてお待ちしております。

Text/ものすごい愛
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