解決するには、相手に伝えるしかない

ご自身でも相談文に書いてますよね、 「自分の希望を彼に伝え、彼の意見を聞き、折り合いをつけたいです」と。
自分の希望を伝えたい? じゃあ、彼に伝えましょう。
彼の意見を聞きたい? じゃあ、彼に聞きましょう。
「背中を押してほしい」という言葉が出てくる理由として、おそらく「要望を言うことで彼に幻滅されたらどうしよう」とか「もしもこれが原因で喧嘩になったらどうしよう」といった自信のなさから不安になっているのでしょうが、現状に不満があって、それに耐えられないのでしたら、自信がなかろうが、不安だろうが、「変えたい」という気持ちを言葉にして相手に伝えるしか解決の術はありません。

いくら恋人や配偶者と言えど、他人ですから生活習慣が違うのも、生活習慣が違う人と一緒に暮らしていて不満が出るのも、当たり前です。
あなたは「好きな人と一緒に暮らす」「新婚生活」というものに勝手に理想を抱いているせいで、そんな当たり前のことが頭からすっぽり抜けて、不満を感じていること自体に罪悪感を持っているように感じました。

「彼のことが好き」「彼に尽くしたい」という気持ちばかりが大きくなってしまって、それを大事に守ろうとするあまり、朝ごはんもお弁当も夜ご飯もつくって、それもバランスよく一汁三菜で彩りもよく献立を考えて、洗い物は溜めずに食べたらすぐ片付けて、掃除は毎日欠かさずやって部屋はいつも綺麗で、一週間の予定と天気を考えながら洗濯をして、乾いたらきちんと畳んでクローゼットに仕舞って、スーツやワイシャツは定期的にクリーニングに出して、毎日持っていくハンカチはアイロン掛けをして、休みの日はベランダに寝具を日干しして、お風呂掃除とトイレ掃除もサボらずに、それを働きながら全てこなす……いやいや!!! 普通に考えて絶対に無理だから!!!
しかもお仕事もされているということですから8時間労働と考えて、通勤時間だってあるし、仕事に行くための身だしなみを整える必要もある。お風呂だって入らなくちゃいけないし、寝ないと体は保たないから睡眠時間も確保しないといけない。
そんな中で完璧に、それも自分ひとりで、だなんて到底無茶な話ですよ。

相談文にあなたと彼の家事に対する捉え方の違いを書いているように、あなたは「家事は溜めずに毎日コツコツやっていきたい派」で、おそらく「散らかった部屋では寛げない」「やらずにおいてある家事が目につくと気になってしまう」「逆に家事を溜めておくことがストレスにつながる」といった人なのだろうと推察します。
まあ、そこは人それぞれの基準や性格もあるので、別になにも悪いことはありません。
ただ、毎日家事をやる理由が「自分が心地よいから」だけでなく、「誰かのため」という側面もプラスして相手に気を遣うあまり、サボることに罪悪感を持って「今日は面倒だから夜は納豆ごはんね!」だなんて言えないでしょうし、「ちゃんとやらなくちゃ…」というプレッシャーにもなり得ます。
そうなると、本末転倒。「居心地のよさ」よりも「しんどさ」が前にきてしまいます。

そこまで新婚生活自体に理想を抱いてはいなくとも、少なからず「彼が自ら気づいて率先してやってほしい」「わたしの負担を察して気遣いする姿勢を見せてほしい」という、家事をやってもらっている立場である彼に対する理想は見て取れます。

ちなみにですが、それも無理ですからね。

「わたしがごはんをつくったから、彼には食べ終わったあとの片付けをやってもらいたい」とか、「わたしが洗濯機を回して干したから、彼には乾いたものを取り込んで畳んでしまってほしい」とか、「わたしは掃除機をかけて拭き掃除もしたから、彼にはトイレとお風呂の掃除をしてほしい」という気持ちはもちろんわかりますが、それ自体も相手にちゃんと言わないといけない部分です。
生活習慣は長い時間をかけて構築されたものですから、彼は「週末にまとめて家事をやる」というのを当たり前に思っているでしょうし、疑問すら抱いていないでしょう。
それに加えてあなたが当たり前のように何も言わずにやってくれているわけですから、あなたが不満を抱いているだなんて考えにすら至っていないと思います。