お付き合いすることを了承した場合

次に、あなたが彼とお付き合いすることを了承した場合。
あなたは、彼の嫌がることはできる限りしたくないという気持ちと、他の人たちとの関係がなくなってしまうのがつらいという気持ち、両方を抱えていますよね。
もし、「彼が嫌がるから他の人たちとの関係をきっぱり断ち切る」と決断を考えているのなら、そのあとあなた自身が苦しくなってしまわないか、一度しっかり想像してみてください。
「自分にはやれそうにないな、どうしたって他の人たちを失いのがこわい」と思ったのなら、それはそれで認めていいこと。「どうしてできないんだろう、自分は不誠実だな」なんて思わないでくださいね。

もちろん、「大丈夫そうだな」と思えたのならその通りにしてみてもいいですし、あとから「彼とだけ付き合ってみたけれど、やっぱり無理だった」とハンドルを切り直すのもあっていいことです。
彼を傷つけてしまう可能性は否定できませんが、重ねてになりますが人の感情は水モノで、やってみないとわからないことはたくさんありますから。
たとえ「やっぱり、無理だった」となっても、きっとあなたは彼に隠れて他の人と関係を持つような人には思えませんし、彼に自分の正直な気持ちを伝えるのではないでしょうか。それでいいと思いますよ。

付き合いつつ、他の人との交流を継続する場合

そして、彼とお付き合いをするけれど、他の人たちと体の関係以外の交流を継続させる場合。
おそらくこの選択肢が現時点での第一候補かな、と思ったのですが、あなたは「彼は体の関係がなければ大丈夫、と言っているけれど、そのうち嫌になるかもしれない」と危惧しています。

相談文から推察するに、あなたは相手に対してきちんと筋を通す人のようですから、他の人たちには「もう体の関係は持たない」と話をするでしょうし、彼に隠れて体の関係を持つこともないと思うのですが、どうしてもやってないことを証明するのって難しいんですよね。
だからこそ、あなたは彼からの信頼を得る努力をし続ける必要があると思います。

付き合っている間に嫉妬される可能性は容易に想像できますが、それはモノガミーだろうがポリアモリーだろうがどんな恋愛スタイルでも「これ以上はアウト」とは一概に言い切れず、人の数だけ嫉妬心を抱く基準が存在します。
ものすごく嫉妬深くて「仕事以外で連絡を取ったりましてや会うのは禁止!」という人もいれば、「え? 好きにしたらいいよ! 嫉妬心なんてなぁーんにもない。だってあなたが愛しているのは私でしょう?」という人もいる。
それがパートナーとの間で差異が生じるのは珍しいことではありませんから、対応の仕方も擦り合わせ方も千差万別です。その塩梅は、あなたと彼とで見つけていかなければなりません。
ただ、「相手がヤキモチを妬くから」「理解してもらうのが面倒だから」と嘘をついたり隠し事をするのはよくない。結局は問題を先延ばしにしているだけですから、それこそ不誠実な行動だと思います。

また、他の人たちと交流を継続させていく中で「体の関係はないけれど友達とは違う、もっと別の特別な感情がある」と気づいたのなら、それも否定しなくていい感情です。
性愛感情を伴わない恋愛感情もありますから、自分の気持ちと向き合い、否定せず、都度彼に誠実な対応をしていくことが最善ではないでしょうか。

今のあなたのまま精いっぱい言葉を尽くしてほしい

あなたが今後どうしたらいいのかいくつか選択肢を挙げさせていただきましたが、共通して言えるのは、

・自分の恋愛スタイルを変えることに挑戦するのはいいけれど、苦しいのなら無理矢理に変える必要はないこと
・これまで通り、嘘や隠し事をせず関係者に筋の通った対応をすること
・そのうえで上手くいかなかったとしても誰も悪くないし、あなたが不誠実だとか都合のいいとかありませんから、自分自身を否定しないこと

この3つです。どうかこの3つだけは忘れないでいただきたいのと、今のあなたのまま精いっぱい言葉を尽くしてほしいと思います。
そして、「やっぱり自分の恋愛スタイルを貫き通す生き方を選択したいな」と思ったときは、共通する感情を持っている人たちと話してみることをおすすめします。そうすることで、もっと自分の気持ちに素直になれたり、呼吸がしやすくなったり、視野が広がったりするはずです。

力不足で正解を導き出せなくてほんとうに申し訳ないのですが、たくさんの選択肢を想像して、あなた自身が楽しめる恋愛をしてほしいな、と思います。

Text/ものすごい愛
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