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  • 2014.01.09

望まない妊娠をしてしまったら…?女医が教える“中絶”という選択肢

第32回 望まない妊娠をしてしまったら……?


 妊娠したけれど、経済的な理由などで、どうしても産むことができない女性もいますね。
センシティブな話題ではあるけど、とても大切な知識である、「人工妊娠中絶」(以下、中絶)について今回はお話します。

心当たりがあって、月経予定日より1週間遅れたら検査をしましょう

松村圭子先生 子宮内膜症
Yevy Photography


 月経予定日より1週間も月経が遅れている……。
もし避妊しないでセックスした、避妊が不十分だったなどの心当たりがあったら、速やかに市販の妊娠検査薬で検査しましょう。

 ドラッグストアなどで販売されている市販の妊娠検査薬は、最近の物は精度がよく、高い確率で妊娠しているかどうかを確認できます。
ただし検査をするのが早すぎると妊娠していても陰性反応(妊娠していないという判定)が出てしまうことがあるので、1度目の検査から5~7日経過後まだ月経の兆候が見られない場合は、再び妊娠検査薬で検査をするか、婦人科を受診するようにしてください。

 もし、陽性反応(妊娠しているという判定)が出てしまったら……?

陽性反応が出てしまったら


 産まない選択をする場合でも早めに婦人科を受診し、妊娠と妊娠週数を確認する必要があります。
なぜなら中絶には適した妊娠週数があるから(なお中絶できる期間は法律により、妊娠21週と6日までと定められています。22週以降はいかなる理由でも中絶はできません)。

 なお、中絶は母体保護法で指定された「母体保護法指定医」の資格を持った医師でないとできません。
もし最初から中絶を決めている場合は、「母体保護法指定医」の看板を掲げている病院を受診するとスムーズです(受診した病院の医師が「母体保護法指定医」でない場合、紹介状を書いてもらうことができます)。

中絶を受けられるいくつかの条件


 中絶を受けられる人は、法律によって以下のように定められています。

1:妊娠の継続や出産が身体的、経済的理由により、母体の健康を著しく害するおそれがある場合
2:強姦や脅迫などによって妊娠してしまった場合

 そして中絶を受けるには、手術を受ける本人と相手(男性)の署名捺印をした「人工妊娠中絶同意書」が必要になります。
もし、レイプなどで相手が誰だかわからない、相手が死亡している、お互い未成年で養育能力に欠けるなど、特別な理由がある場合は、必ずしも相手の同意書は必要ではありません。
この同意書の用紙は中絶をする病院でもらえます。

中絶をするなら早めの「初期中絶」


 妊娠12週未満の中絶を「初期中絶」、12週以降の中絶を「中期中絶」といいます。

【初期中絶】妊娠12週未満の中絶のこと。


*方法:子宮内の胎児などを掻きだす「掻把(そうは)法」か、吸引器具で吸い出す「吸引法」で堕胎します(どちらの方法をとるかは病院や医師によって違います)。

*入院:手術時間は10~15分と短いもので、基本的に日帰り(手術前日に子宮の入り口を広げる処置をするため入院することもあります)。ただし全身麻酔で行われるため、手術後3~5時間は安静が必要。

*費用: 約10~15万円(病院によって金額に違いがあります)

【中期中絶】妊娠12週以降~22週未満に行われる中絶のこと。


*方法:通常の出産と同じ方法「分娩法」をとります。あらかじめ子宮の入り口を広げる処置をしておき、子宮を収縮させる薬剤で人工的に陣痛を起こし、流産させます(妊娠12~14週なら初期中絶と同じ方法で中絶する病院もあります)。

*入院:身体に負担がかかるかるため3~4日ほどの入院が必要。その後も1週間ほどは安静にしなくてはなりません。

*費用:約30~60万円(病院によって金額に違いがあります)

*その他:手術後、役所に死産届けを提出することと、胎児の埋葬が必要(埋葬許可書がないと死体遺棄になります)。

 これを読んだだけでも、中絶をするなら「初期中絶」が望ましいことがわかると思います。

選択を先延ばしにしたい気持ちも分かるけど…


 中絶が最も安全かつ確実に行えると言われているのが妊娠7~8週
月経が1~2週間遅れたら、すでに妊娠5~6週目だから注意してね。

「月経が遅れているのは月経不順だから……」「中出ししてないから大丈夫と言われた」「妊娠したかもしれないけど、怖くてどうしていいのかわからない」と先延ばしにしておきたい気持ちも分かるけど、今後を考えると早めに対応するべき。
避妊しないでセックスをしたり、月経が遅れたりなど、思い当たることがあったら、早めに妊娠の検査をすること。

 中絶を希望し、病院を受診しても即日手術してもらえるわけではないし、中絶前の検査や手術の予約、同意書の準備などを考えると、月経の遅れに早く気づいて受診することが何度も言うけど望ましいの。
もし妊娠に気づくのが遅くなって初期中絶の時期を逃した……ってことになったら費用はもちろん、あなたの身体や心に負担がかかることを知っておいてくださいね。

 次回は中絶の不安についてお話します。


監修/松村圭子先生
Text/平川恵

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ライタープロフィール

松村圭子
婦人科専門医。広島大学医学部卒業。成城松村クリニック院長。

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