三度目のセックスは炭酸の抜けたソーダ

 誰かと初めてセックスをするのは新鮮でワクワクする。

 お互いのことをよく知らないからこそ味わえるスリルがある。刺激的な味付けだ。
相手の好き嫌いを見つけながら、いろんなことを試すこともできる。良いサプライズも、悪いサプライズも、思い出の一ページに刻まれる。
このセックスは可能性に満ちている。相手との関係がどう発展するのかわからないことが何より素敵だ。
もしかしたら親友になるかもしれないし、恋人になるかもしれない。
赤の他人になることがほとんどだが、そこは都合良く忘れておこう。

 その人と二度目のセックスをするのも悪くはない。
相手の好みをある程度把握しているので、前回よりスムーズにセックスが進む。
スリルは薄れたかもしれないが、安心感が増えたおかげでリラックスしてセックスを楽しめる。
サプライズはもう残っていないと思えば余裕ができ、おかげでお互いの深い一面を垣間見れることもある。
既にセックスをした後だから、相手との将来的な関係もある程度予想できる。
楽しめないわけではないが、二度目は記憶に残らないセックスになってしまうことが多い。

 三度目のセックスはマンネリそのものである。
自慢のテクニックは一通り披露したので、以前に通用した同じ工程をつい繰り返してしまう。
サプライズに出会えば、喜ぶどころか予定が狂ったとイライラが募る。
人間とは保守的な生き物だ。さらに安心できたおかげで、リラックスしすぎて、まるで緊張感がなくなってしまう。

 相手が前回より盛り上がっていないのが伝わってくるから、自分のテンションも下がって、負のスパイラルに入ることもある。
変態プレイやセクシーコスチュームを導入してもなかなか新鮮さを取り戻せない。そうやって炭酸の抜けたソーダみたいなセックスと化してしまう。