歳を重ねて、自分の性欲の変化にも気付いた。
若い頃の性欲が火山だったとすれば、今の性欲は波に近い。セックスをしたい日もあれば、したくない日もあって、衝動は波のように寄せては引き返す。いつもどんなときもムラムラしていた頃が少し懐かしいが、こうして落ち着いてセックスを楽しめる今の自分も悪くはない。

 そんな自分とセフレの相性は最悪である。
このセフレは常にセックスしないと落ち着かない人だ。オーガズムに達さないとベッドから起き上がれないし、眠りに落ちることもない。彼氏がいたら毎日朝と夜にセックスをしたいと彼は嬉しそうに語っていた。体力のない自分にはとても務まらない役目である。忙しい都会暮らしの二人はただでさえ時間がないのに、珍しく都合が合う日もムラムラしない自分のせいでセックスをしないことが度々あった。

 繊細な人間関係だから、こうもお互いを拒絶することが頻繁に起きるとモチベーションが下がる。別にどちらかが悪者というわけではない。性欲にギャップがあるだけで、それ自体はとても自然なことだ。しかし、それを上手にコミュニケーションするのは予想以上に難しかった。そんな意図はないのにお互いの気分ばかり害してしまう。

「彼氏ができたから、セフレ関係は終わりにしよう」

 つい最近、彼からそんなお別れのメールが届いた。正直少しホッとした。
セックスができなくなるのは寂しいが、断り合戦もしないで済むからだ。それにしても、彼らは毎朝毎晩セックスをしているのだろうか。そんなハイエナジーなセックスライフには憧れないが、素直に感心してしまう。お祝いのギフトに徳用サイズのコンドームとローションでも贈ろうか。

Text/キャシー

次回は <儚い自尊心と生きるということ>です。
次回は「自尊心」について。自尊心が薄れてしまうと、自分にだけでなく他人にも優しくなれなくなってしまうものです。すこし、落ち込んでしまっている方…ゆっくり前に向かってみませんか?