お前の嫁やべえことになってんぞ

『日本の裏金 (上)首相官邸・外務省編』 著:古川 利明 出版社: 第三書館

話は変わるが、2月、3月と言えば確定申告もある。

私などは、白色申告かつ節税知識もないので、毎年税金額が「こんなことならもっとガチャを回しておけばよかった…」と思うほど高い。

さすがに対策を講じた方がいい、ということで今年分から税理士に委託することにした。

しかし、税理士に見せる銀行の明細にはバッチリ上記の課金履歴が記載されているのである。

まず、今年開幕早々、1日で9,800円が5回落とされている。税理士はソシャゲとか知らないタイプに見えるが明らかに「良からぬことが起こっている」のだけはわかる。

そして、KOFへの課金履歴も言わずもがなだ。

多分どの税理士も「節税以外にやることがある」と思うだろうが、クライアントの個人的な金の使い方にまでは口を出さないかもしれない。

しかし、問題はその税理士が夫の紹介なのである。

大ピンチだ。

「よくわかんねえけど、お前の嫁やべえことになってんぞ」と言う可能性がある。

だが今までのことはもうどうしようもない。そこで私は、ソシャゲをするためだけ用に、新たに銀行口座とデビットカードの申込をしたのであった。

余談になるが今回のテーマは「私たち夫婦の自慢できること」である。

私がこんな有様な時点で誇れることはないもない気がするが、強いてあげるなら「挨拶、感謝、謝罪」をちゃんと言う点であろうか。

朝起きたら、おはようと言うし、夫は夕飯を出すと、今でも「ありがとう」と言う。

私が作った料理であるから、不味いし、たまに腐っているが(わざとではなく、私の料理は完成時点で腐っていることがあるのだ)そういわれればやはりこちらも気分がよいので、私も何かしてもらった時はちゃんとありがとうと言うようにしている。

しかし、挨拶と感謝はいくら言ってもいい。ただ謝罪だけは「ごめん」と言ってその話を終わらせようとしている場合もあるので、注意が必要である。

「俺は謝った、だからこの話は終わりだ」と話し合いを放棄してしまうのは、夫婦にとって必ずしも良い事ではない。

おそらく、多額の課金が夫にバレ、咎められたら私は「ごめん」と言うだろう。

しかし課金はやめない。つまりそういうことである。

Text/カレー沢薫