「一緒に楽しく過ごすために」の視点を

最初にお話しをした「わかっているけれど納得できていない」にも通ずると思うのですが、あなたは相手よりも自分に対して意識が向きすぎているようで、少し心配になりました。

連絡が返ってこない理由として、もしかしたら忙しかったり、事情があって立て込んでいたりするかもしれません。
セックスもそう、疲れて体調が芳しくないかもしれません。どう接したらいいかわからなくなっているかもしれません。
そういった相手の事情を想像する前に、「わたしはこうしてほしい」という要望が前面に出し過ぎていては、相手もうんざりしてしまうのではないでしょうか。
見返りを求めることが悪いとは言いません、でも、見返りを求めて“ばかり”はよくないのです。

一度逆の立場になって考えてみてください。
「自分はこれだけのことをしている、だからあなたも同じ熱量で返して」という気持ちでやさしくされるのと、「あなたのことが好きだから、自分があなたにしてあげたいから」という気持ちでやさしくされるのとでは、圧倒的に後者の方が嬉しいですよね。
「おれはこれだけ君にしてあげたんだから、君は喜んで同じだけのことをおれにして!」と言われたら、興醒めしてしまいませんか?
見返り“ばかり”を求めるというのは、相手の愛情ややさしさを蔑ろにしていると捉えられかねません。
損得勘定で自分が損をしないやり方をしていたら、お互いに対する愛情に価値はなくなりますし、利害関係でしかつながっていないため付き合っている意味がなくなってしまいます。

生活の全てが恋愛で占められるのは、別に悪いことではないと思うのです。
それによって生活にハリが出て、充実した毎日を送る人もいるでしょう。
ただ、あなたの場合は、何かをしてもらうことが前提になっている恋愛をしているため、不安になったりそんな日々に苦しさを感じたりしているのではないでしょうか。

いつも不安になる恋愛って、きっとしていても楽しくないですよね。
だからそのためには考え方を変えたほうがいい、と思っているのかもしれませんが、考え方をいきなり変えるというのはとても難しいもの。
だってあなたは、彼氏からの返信はすぐに欲しいし、だんだんとセックスがテキトーになっていくのはかなしいし、不安になったら相手に伝えずにはいられないし。
先にも言ったように、そんなあなたと似たようなタイプの人と出会って、お付き合いすることがあるかもしれません。
でも、たとえそういう人に出会っても、自分に意識が向きすぎている今のままのあなただと際限なく求めてしまって、いつまでも満たされないのではないでしょうか。
誰かありきの自分の恋愛をするではなく、きちんと自分の足で立ったうえでどういう恋愛をしたいかを考えてみてください。

「幸せな恋愛をしたいから無理にでも考え方を変える」という結論に至る前に、自分の好きな人が幸せでいるためには、そしてそういう人と一緒に楽しく過ごすためにはどうしたらいいか、という風に発想を変えることをおすすめします。

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この連載では引き続き読者の皆さまからの恋愛相談を募集します。
最後の一歩が踏み出せない方の背中をドーン!と押すため、今にも崖から落ちそうになっている人を腕一本で引き上げるため、誰かに厳しく叱られたい方の左頬をフルスイングで打つため、わたくしポジティブゴリラは日々ゴリラらしく腕力を鍛えてお待ちしております。

Text/ものすごい愛
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