男はセックスのために海も渡る。アメリカ人留学生の恋人に会いたくて/中川淳一郎

男はセックスのためには海をも渡る。

1988年、『マリリンに逢いたい』という映画が公開された。これは、沖縄・阿嘉島で飼われていた雄の犬・シロが、海の対岸である座間味島に住む雌犬・マリリンに逢うべく海を泳ぐ話である。

この逸話については、「一途な恋」などとされたが、これに対して冷や水を浴びせたのがビートたけし氏だ。同氏の著書を読むと「美談風にしてるけど要するにコーマン(セックスのこと)したいだけだろ」といった記述があった。多分、これは正しいだろう。犬に「純愛」があるとは思えない。単に交尾したかっただけだと思う。たけし氏はとにかく「コーマン」という言葉が大好きである。

セックスのために海を越えた話

さて、僕・ニノミヤもコーマンのために海を渡ったことがある。過去にも書いたが、僕は学生時代、アメリカ人留学生・ジェニーと日本で付き合っていた。彼女がアメリカに帰った段階で距離は離れたものの、一応「恋人」関係は維持されていた。

果たして彼女と将来どうなるのかは分からなかったが、彼女が留学先の東京の大学からシカゴの大学に戻ってから数ヶ月、僕はオナニーをしまくる日々に突入した。当時、僕の周囲には女性がほぼおらず、ジェニー以外の女性とのエロなんてことはあり得ない話だった。

浮気をするのもイヤだし、彼女ほどの美人は滅多にいないので、まぁ、エロは彼女だけにしようと思っていた。

彼女がシカゴに帰ったのは3月のこと。そのときに決めたのは僕が就職活動を無事終え、内定を得たらシカゴに行くということだ。

その最大のモチベーションは恥ずかしながら「コーマン」だった。彼女はエロが大好きで、一緒にいるときはエロをしまくっていた。彼女がシカゴに帰った後、布団の中で彼女とのエロを思い出すと勃起をしてしまい、そこでオナニーをする日々が連日のように続いた。

こうした状態になると本人とキチンとエロをしたくなってしまうのである。そのためにはなんとしても就職活動を成功させ、内定を獲得するしかない。僕は正直、その後の人生はどうでも良かったが、ジェニーとエロを早くするために、就職活動を本気でやった。