ゴルフ仲間と同じように「セックス仲間」がいる。セフレとの思い出/中川淳一郎

セフレという言葉は言い得て妙だと思っている。僕には恋人はいないのだが、4人のセフレがいる。何しろ、行為の前に酒は飲むものの、我々が会うときは「セックスという遊び」をすることが決まっているのだから。たとえば「カラオケ仲間」やら「ゴルフ仲間」「サーフィン仲間」と似たようなもので「セックス仲間」であり、だから「セフレ」なのである。

彼女たちの1人は既婚者だが、他の3人が既婚なのか、恋人がいるのかはよく知らない。知ってしまうと、この逢瀬がバレた場合に相手の男とモメるのが間違いないからだ。しかし、女性の浮気というのはあまりバレないようで、これまで彼女たちとのエロ行為の回数は合計500回を超えていると思うものの、淡々と何年もバレずに続いている。

ふとしたタイミングで「来週会わない?」などとメールやメッセンジャーで誘い、「〇曜日だったら大丈夫」となる。夜の場合が多いが、仕事の移動と移動の合間などに渋谷や新宿のラブホテル街で会い、そのまま2時間で3回エロをし、「じゃあまたね」と別れる。多い場合は毎週会うこともあるし、数ヶ月空くこともあるが、とにかくこの関係性がずっと続いているのだ。僕自身は自分が迂闊なところがあると思うので、ステディな関係の恋人は作る気がない。

この4人にしても、普通の交際ができたかもしれないのだが、多分、そうなってしまうとエロがマンネリ化する、ということを互いに分かっていたのかもしれない。不思議とセフレとのエロは毎回楽しいし、満足度が高いのだ。お互いの目的が合致しているがゆえにそうなるのかもしれないが、その内の一人、既婚者の香苗さんとは特に多くエロをしてきた。

既婚者の香苗さんからの提案

彼女は僕が学生時代にバイトをしていた役所の正職員で、社会人になり、バイトを辞めた後から会うようになった。初めて飲むときは「就職祝い」という体だったのだが、和食の個室を取ってくれた。テーブルの下で足が時々ぶつかるなどし、こちらはドギマギしたものの、香苗さんは「なんかいいね、こういうの」と笑っていた。

結局2回目からエロをするようになったが、夫が出張に行っているから帰らないでいい、とのことで21時から翌朝8時までラブホテルで7回エロをした。その後、夫の出張の際は大抵会うようになり、同様にラブホテルに泊まった。

そして、あるとき、「ニノミヤ君、週末、旅行行かない?」と行為が終わった後、ベッドで二人して全裸で休んでいたら言われた。