精神不安定の状態から3度目の離婚へ         

Marilyn, Richard Avedon By amaianos Marilyn, Richard Avedon By amaianos

 ところが、ミラーとの結婚も長くは続きません。その頃からマリリンは精神状態が不安定となるのです。睡眠薬の過剰摂取による事件を何度か起こした後、精神病院にて治療を受けるようになるマリリン。精神状態に関しては、ミラーとの間で流産を経験したことが理由のひとつだとは言われています。そのような状況で、ミラーを振り回し、さらには『恋をしましょう』で共演者イブ・モンタンと不倫をしたことで、彼との関係は決定的に終焉し、マリリン35歳の1961年に離婚となります。この頃、ミラーはマリリンの世話のために、作品をほとんど発表することができなかったといいます。

マリリンの最後の恋

 あるパーティで、マリリンはこの先の運命を大きく変えてしまう人物と出会います。それがまだ大統領候補であったジョン・F・ケネディです。ふたりは人目を避けて逢瀬を重ね、大統領就任後の彼の45歳のパーティでは壇上でバースデーソングを歌うほどの仲となりました。政治好きで知性を愛す彼女の心中は浮かれ、ファーストレディとなる夢も見たかもしれません。しかし、大統領となった彼の不倫騒動を恐れた妻ジャクリーンが、ジョンの実弟ロバートにお願いしてマリリンから別れるように仕向けます。ジョンとマリリンの関係をマフィアが握っていて、失脚や脅迫を恐れたという噂もありました。ところが、今度はロバートがマリリンの虜となってしまい、ふたりは相思相愛に。一説では、マリリンはロバートの子を中絶したとまで言われています。

権力と愛の狭間に落ちたマリリン

 ロバートもマリリンのことを真剣に愛していましたが、やはりその関係を利用してケネディ兄弟の失脚を狙っているグループがあることなどから、彼は彼女との別離を決意します。しかし、マリリンは別れを受け入れることができず、半狂乱へ。ロバートが最後の別れ話をしに会いにきた8月4日の夜、彼女は睡眠薬を大量に摂取し、翌日の午前4時に遺体となって発見されるのです。自殺とされていますが、彼女が様々な会話を書き留めていたノートなどの一部の遺品がなくなっていることなどから、多くの謎に満ちた死ともいわれています。
 大成功を収めながらも、36歳という若さで世を去ってしまったマリリン。生い立ちや生まれ持った性質からくる精神的な脆さと、美しい肉体、チャーミングな笑顔のギャップで、彼女は権力のある男性を次々と落としたのです。謎の残る死を遂げたことで晩年は悲しげな印象が強いですが、それでもかすむことのない彼女の魅力は唯一無二のものといえるでしょう。

Text/AM編集部

■合わせて読みたい
セレブたちの恋愛遍歴 第1回:『ブリジット・バルドー』
セレブたちの恋愛遍歴 第2回:『運命のパートナーを見つけたジェーン・バーキン』
セレブたちの恋愛遍歴 第3回:『脆さと肉体のギャップで男を虜にしたマリリン・モンロー』
セレブたちの恋愛遍歴 第4回:『女優からモナコ王妃へ・・・気品ある美しさを振りまいたグレース・ケリー』
セレブたちの恋愛遍歴 第6回:『オードリー・ヘップバーンの愛を与える人生』