若者たちは決断を迫られている

リバースエッジレビュー 2018映画「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社

 原作にはないインタビューシーンが各所に挿入され、本作が2010年代に作られた意図がより明確に示される。
不器用なカメラワークでセリフらしくない生々しい声が収められ、登場人物の胸中が語られるような、いかにも狙ったものではない。物語とはまた別の切り取り方で自然体な姿がただひたすら映し出され、過去と現在を繋げる役割を果たしている。そこから大人になる姿が想像できるような、1990年代に青春を過ごした人々への写し鏡にも思える。

 10代で生きづらさに思い悩み、屋上から飛び降り、線路に飛び込み、首を吊るニュースが後を絶たない。そのたびに、大人になってしまった者たちは「決断が早すぎる」と嘆く。でも、若者たちは決断を迫られているのだ。実感の湧かない生と、遠くにあるはずの死。それを無理矢理そばに置くことで、息苦しく狭められた視野の中で呼吸ができている。

 90年代の若者のリアルが、2010年代の若者にどう響くのか。
それは決して大人には分からない。
文化も生活環境もあらゆるものが大きく変わっても、20年の時を経て変わらないものは何なのか。
ハルナがうっすら浮かべる笑顔から、それが感じ取れるかも知れない。

ストーリー

 ゲイでいじめられっ子の山田(吉沢亮)は、ハルナ(二階堂ふみ)にだけ心を許していた。ある日、ハルナは山田に夜の河原に誘われて、山田にとって“宝物”の放置された死体を見せられる。
「これを見ると勇気が出るんだ」と言う山田に絶句するハルナだが、その秘密を知るモデルのこずえ(SUMIRE)とともに特異な友情で結ばれていく。

 山田に一途に想いを寄せるカンナ(森川葵)、観音崎(上杉柊平)と身体を重ね続けるルミ(土居志央梨)――それぞれの満たされない想いが交錯する中、ハルナは「新しい死体を見つけた」と山田から報告を受ける。


2月16日(金)、全国ロードショー

監督:行定勲
原作:岡崎京子
キャスト:二階堂ふみ、吉沢亮、上杉柊平、SUMIRE、土居志央梨、森川葵
配給:キノフィルムズ
2018年/日本映画/118分
URL:『リバーズ・エッジ』公式サイト

前売券

( c )2018映画「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社

Text/たけうちんぐ

次回は <今だからこそ描けるラブストーリーは、今観ないといけない。アカデミー賞最有力候補『シェイプ・オブ・ウォーター』>です。
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