女は守ってもらう生き物だなんて誰が決めた?
今まで多くの映画で女は守られてきた。爆発が起きたら男が身体を覆ってくれるし、命を狙われたらどこからともなく援護射撃。そしてキス。めでたしめでたし。これが映画の王道パターンです。
でも、今回紹介する映画ではむしろ逆。
頼れる相手がいないまま、黒幕を追いかけ、悪を退治し、エイリアンと戦う。時には男を助ける。そしてキス。(←ここは変わらない)まさに女の鏡! 異性だけでなく同性まで虜にしてしまう、心も身体も“強すぎる女”が大活躍する映画を紹介します。
基本、肉弾戦!最強女スパイから“仕事に強すぎる女”の極意を学ぶ
『エージェント・マロリー』
一本目は、『オーシャンズ』シリーズなど次々と話題作を生み出すスティーブン・ソダーバーグ監督のスパイ・アクション映画。全米の女子総合格闘技で名実ともにナンバーワンのジーナ・カラーノが強すぎます。
ストーリー
並外れた戦闘能力と知性を併せ持った女スパイのマロリー(ジーナ・カラーノ)は、昔付き合っていたケネス(ユアン・マクレガー)から人質救出作戦の指令を受け、見事成功する。
その後、ケネスから新たな指示を受けるマロリーだったが、そこには非情な罠が仕掛けられていた――。
“最強女”の勘は、スパイというより女の勘?
とにかく強いです。スパイ映画といえば『007』、『ミッション・インポッシブル』、『ボーン~』シリーズがあるけど、主人公はみんな男。大体がピストルで標的を射止める。
でも、マロリーはパンチとキックさえあれば十分。ジャッキー・チェン顔負けの肉弾戦で悪党を懲らしめるのです。
そこに無駄なカット割りは一切ない。誤魔化しの効かない撮影は臨場感に溢れ、特撮、CGに頼らないジーナ・カラーノの持ち前の強さに惹かれてしまう。
武装した警官に追われても、ビルからビルへと飛び移る様はスーパーマリオみたいな軽やかさで気持ちいい。
印象的なのは、ホテルのシーン。もう一人の男スパイと新婚夫婦を装って標的に近づくミッションだが、不審な気配を感じたマロリーは男スパイのモバイル端末のデータを盗み、この任務が罠であることを知る。
その勘はスパイというより、まるで女の勘。浮気していないか彼氏の携帯をこっそりチェックするような勘は、“最強女”には必要不可欠なのかもしれません。
元彼にも容赦なし。裏切られたら方法は一つ。消す!
マロリーは以前付き合っていたケネスと、完全にビジネスと割り切り、その後も任務を受けていた。しかし、そこでマロリーの勘が働く。 ケネスに疑いを持った彼女の反撃は、全く容赦がありません。
元彼との戦いになだれ込む終盤。必要以上の未練も哀愁もなく、ひたすらスパイとして任務を遂行するマロリーの健気さは無視できない。同性にとっては、自分を裏切った男を懲らしめる彼女の姿に快感を覚える人も少なくないはず。
ジーナ・カラーノのスタント無しのアクションが一番の説得力。“男を助手席に乗せる系女子”マロリーの、仕事に懸けるその情熱に打ちひしがれることでしょう。
不埒な男を懲らしめる女の勘、戦闘能力、知性。すべて揃った“最強女”に誰もが憧れるに違いありません。
でも、実際にはあまり殴ったり蹴ったりしないでくださいね……。
『エージェント・マロリー』Blu-ray
価格:【DVD】¥3,990(税込)【BD】¥4,935(税込)
発売元:ルチュア・パブリッシャーズ