ハイスぺ男があなたに少し冷たかったのはあなた自身もお気づきでしょうが、彼にとってのあなたの優先順位が低かったからです。
ギャーーーッ　我ながらおっかないことを書きました。すいません。だからあなたも距離を置いたのですよね。

実は私も29歳の時にあなたと同じような経験をしました。年下のハイスペ男に鼻にもかけられないということがありました。私はハイスぺ男を見返す道を選びました。

女装の片手間で派遣社員だった仕事を正社員に切り替えて、昼の仕事を中心にして、休みの日も業務にまつわる勉強をして、給料と役職を上げるために転職もして、ジムにも通ってヘトヘトになりながら最後は身体を壊すところまでやりました。気付いたら7年という月日が経っていました。

で、結局のところ当のハイスぺ男は彼氏を作ってラブラブになり、私の見返す作戦は成就することもなく終わりました。

ただ私自身もその過程で収入を増やしたり、ジムで身体を鍛えたおかげで多少モテるようになり、そこそこ美味しい思いもしたので、ま、いっかということになりました。私、負けず嫌いなんだけど、他人より自分が好き過ぎるみたいでストーカー気質や粘着質なところはないんです。ほほほ。

身体を壊して、自分を見つめ直してみて、私のやりたいことってこれだったっけ？って思い直してからまた女装に注力をして今に至るわけです。

私はハイスぺ男を見返そうと思って、うっかり張り切り過ぎて身体まで壊しましたが、あまり後悔していません。それは私がゲイで、結婚とか出産とか考えていないからやったことです。同じようにはしなくても良いと思います。

あなたの文章を読むと別れる前提で距離を置いている彼氏に対する敬意というものがまったく感じられませんでした。
アラサーだったら、冷たくされたハイスぺ男だけでなくまだまだ面白くて素敵な人と出会えます。そのためには尊敬できない彼氏と時間を使うより、あなたが面白く素敵な人になることに時間を使った方が良いなと思うのですがいかがでしょうか。

私は今、44歳なのですが、15年前の失恋が昨日のように思い出されます。人生ってあっという間に過ぎちゃうんです。向上心とかそういうのでなくて、後悔の少ない時間の使い方をすると素敵に歳を重ねられるのではないかと私は思います。

TEXT／肉乃小路ニクヨ