「甘える」のはマナー

ケイト「彼に甘えるのはパートナーとしての義務よ。きちんとしてほしいことを伝えて、それでやってもらえなかったら怒る権利はあるけど。あなたは相手に伝えもしないで《私のことを好きならこうしてくれるはず》って押し付けてるのよ。それって、パートナーに失礼だわ」

そう言って、ケイトは私の携帯を取り上げ、彼に「call me now!(今すぐ電話して)」とテキストメッセージを送りました。(※当時LINEなんてハイテクなものはなかった!)

ものの数分で彼から「どうしたの?」と電話がかかってきて、私は「よかった、ケガか病気でもしてたのかと思っちゃったよ」と下手なごまかしをしながら、ケイトに感謝していたのでした。

アラサーになった今、当時を振り返ると「甘えるのは義務」という言葉がずっしり響きます。私たち、自分のしてほしいことを言わずとも、してくれるだろうって過剰な期待を抱きがち。そして無意識のうちに相手へ「なんでこうしてくれないの(私のことをわかっているならこんなことしないでしょ)」と怒りを持つことがあります。でも、彼は私のことを察して動いてくれる人形ではありません。

「○○してほしい」と甘えること、そして叶えてくれたらたっぷりの愛情でお返しすること。もしかすると今になっても、私はケイトが教えてくれたことを達成できてないのではないか。日々思い返します。

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Text/トイアンナ