一皮剥けば、イケメンだって中身は同じ

 この堅実ともいえる「身の丈感覚」は、果たして良いことなのか。

 サイゼリヤには実は、通常のメニューとは別にワインリストがあって、そっちにはなんと、「ワインの王」とも呼ばれているバローロ(一本7,500円だとか)までもが用意されているらしいのですが、頼んでみようと考えたことすら、一度もない。
毎度毎度、飽きることもなく、1.5リットルのマグナムボトル1,080円一択で攻めている体たらくです。

 けれど、こういう考え方もありますよね。いつも、いつもマグナムボトルばかり飲んでいては、成長しないぞ、と。バローロを飲むことで、別の世界がちらりと垣間見えるかもしれない……
いや、見えないかもしれないけど、それでも、「バローロとマグナムボトルは変わらない。どっちでも酔える」ということを知ること自体が成長なわけで、そのためだけにも、バローロに挑戦する価値はあるともいえるのです。

 サイゼリヤで金さえ払えば、誰もがバローロが飲めるのと同じように、誰であってもイケメンを好きになるのは自由です。
もちろん、イケメンや美女を狙う場合に、ライバルが多いのは確かですし、また、モテるゆえに「妥協する」という選択肢を取らない人も多いので、「異性からアプローチを受けること皆無。自分を口説いてくれる相手は貴重なので、選り好みせずに付き合います!」なんていう人に比べれば、ハードルは高いかもしれません。
けれど、挑戦してみないと、どんなであれ結果は出ません。
そもそも、「イケメンだから……」なんていって、及び腰になっているのはこちらだけで、一枚皮を剥げば、中身は一緒ですしね。

 なので、とくに恋愛にオクテな男性が増えている今はチャンスだと思います。
実際に、美女なのに引っ込み思案ゆえに、すっかり恋愛から遠ざかっている人も多いし、逆にルックスはちょっとアレであっても、積極的だからこそ、異性が途切れない人もよくお見掛けします。

 大切なのは挑戦することです。
それで、もしも上手くいけば万々歳ですし、それで「バローロとマグナムは変わらない」ということを実感したとしたら、これからの恋愛観が少し変わったりもして、世界が広がるんじゃないのかな、と思うのです。

Text/大泉りか

次回は<「恋愛名言集」は男の都合で出来ている?昔からの言い伝えには注意しろ!>です。
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