恋愛はエゴの愛で、結婚は無償の愛

アル: 悩めるマジメな学生にはなんてアドバイスするんですか?

S: もともと僕は「自己実現・モチベーション・やりがい」といった言葉が好きじゃなくて。 それって自分へのインセンティブだけど、仕事は「誰かのためにやるもの」だと思うから。

アル: 私もよく書くのが「恋愛はエゴの愛で、結婚は無償の愛だ」ってことなんです。

 恋愛の「自己実現したい」「刺激やトキメキを与えてほしい」って欲求は自分へのインセンティブであり、エゴですよね?
一方、結婚=家族愛は「自分が相手を幸せにしたい」って感情だと思う。

S: 確かに、僕も妻や子どもが幸せなのが幸せだと感じる。
ただそれって年齢もあるかも。若い頃は「自分が幸せになりたい」って欲求が強かったし。
そこから「家族を幸せにしたい」「他人を幸せにしたい」「世の中を幸せにしたい」って風に広がっていくんだけど、それは仕事も同じかなと。

アル: ただ、それって就活生に言っても響かないんじゃないです?
「世の中を幸せにしたいって、なに壮大なこと言ってんだ」って。

S: いや、意外と響くよ。今の学生って「世の中の役に立ちたい、誰かのためになりたい」と思っているから。

アル: それぐらいしか言えないんだと思う。やりがいとか言われてもわかんないし。
むしろ「やりがいはなくていい」と言われるとホッとするんじゃないかな。

S: そうかもね。アルテイシアの読者も「結婚に自己実現やトキメキはなくていい」と言われてホッとするんだろうな。

アル:結婚は無償の愛で、無償の愛は物足りない」と書くと「物足りなくていいんだ」とホッとするみたいです。