デートDVの人の不安な気持ちが束縛に

では、デートDVをする側はどう思っているかというと、「自分に予定があって一緒にいられないと前もって彼女に伝えてしまうと、彼女が自分以外の予定を入れて遊びに出掛けてしまうかもしれない」、「自分以外の人と楽しい思いをするんじゃないか」と不安になっているようです。

「常に自分だけを見ていてほしい」デートDVの人は、自分の彼女が自分の知らない所で楽しい気分になることがイヤだと思っている人が多いです。

だから、ギリギリまで自分の予定を教えず、会えるかもしれないと見せて、彼女を家の外に出させないという、言葉や形には見えない『束縛』が生まれてしまいます。

仕事が忙しい彼とデートDV彼の大きな違い

仕事が忙しいなどで予定が立たない人と付き合っているのと、デートDVの予定を教えてもらえない人と付き合っているというのは、ギリギリまで予定を教えてもらえないという表面的な部分は同じように見えますが、その二人の精神状態というものは、とても大きく違います。

本当に仕事が忙しくてギリギリまで予定を教えてくれないという彼は、実は前々から予定していた飲み会や遊び、旅行などに自分だけ行っているということはないでしょうか。デートDVの人の場合だと、ギリギリまで予定を教えてくれないけど、前から決まっていたであろう遊びに出掛けていることがよくあります。

そのことを指摘しても「急に決まって連絡できなかった」と言われて逆ギレされたり、「いつも仕事ばかりで遊ぶ暇もないのに、少し遊んだぐらいでそんなに文句言われたくない」と論点がすり替えられて怒られたりする場合もあります。

殴る、蹴るだけがデートDVではありません。
知らず知らず精神的に追い込まれていく。そんな分かりづらいデートDVもあります。

もし、同じような気持ちで苦しんでいる方がいたら、是非周りの人にいろいろ話してみてください。 恋愛において、彼と自分という狭い世界だけになってしまうことは長い目で見てあまり良い結果に繋がりません。
あなたがあって、友達や家族、遊びや趣味、そして彼氏がいる。そんな関係であって欲しいと思います。

Text/荻尚子