忘恋会2016

むかし、彼女とふたりで指輪を捨てにいった話/上田啓太

終わった恋の足跡を辿る、忘恋会2016。同居女性との日常を綴るブログも人気の上田啓太さんが、かつての恋人との別れを振り返ります。別れ話の最中に『指輪を捨てたい』といわれ、ペアリングを捨てに行く道中に思い出すのは、仲がよかったころのふたりの思い出でした。

 終わった恋の足跡を辿る、忘恋会2016。
今年の締めくくりにふさわしいとっておきの恋愛納めコラムを
厳選してお届けします。
一旦ケジメをつけて、来る2017年の新しい恋に備えましょう。
「忘恋会2016」ただいまより開幕です !


 こんにちは、上田啓太と申します。「過去の恋愛をテーマに何か書いてほしい」と依頼をうけました。なんという依頼をしてくるんだと、頭をかかえながら書きました。みなさんにも、頭をかかえながら読んでいただけると幸いです。それではどうぞ。


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 むかし、彼女とふたりで指輪を捨てにいったことがある。

 長く付き合っていたが、別れのときが来たのだ。別れる前に、いろいろと話し合った。そして向こうが最後に言ったのが、次の言葉だったのだ。

「この指輪を捨てに行きたい」

 買ってもらった指輪を捨てないと、気持ちに区切りが付かないから、処分したいということだった。われわれは二人で指輪を捨てに行くことになった。最後のデートで、指輪を捨てる。これは、けっこう悲惨なことかもしれない。
 
 われわれは、いつもと同じ場所で合流し、捨て場所をさがして、歩き出した。もちろん、手はつながない。肩と肩に距離もある。会話は、ぜんぜん弾まない。
 
 別れると决まった瞬間、会話の雰囲気はすこしかわる。そして気づかされるのは、付き合っていた頃の自分たちは、いかに他愛のない話で盛り上がれたのかということだ。