嫌われ者だった私と、どうして付き合ったの? 昔の恋人に聞いてみた話/眞駒

 終わった恋の足跡を辿る、忘恋会2016。
今年の締めくくりにふさわしいとっておきの恋愛納めコラムを厳選してお届けします。
一旦ケジメをつけて、来る2017年の新しい恋に備えましょう。

 はじめまして。眞駒(@ameni1952 )というツイッターアカウントで、上手くいかない恋愛と不甲斐ない自分に呪詛を吐き続けているアラサー女性です。“忘恋会”という名の暗黒武術会のような企画特集に参加させていただけるということで張り切って過去の恋愛と向き合った結果、丸2日寝込みました。
もう10年(!)も昔の、ドラマチックでもロマンチックでもない、ほろ苦い思い出を書きました。
来年こそは幸せになりたい。

嫌われ者だった高校時代

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 大学生になって、高校時代に付き合っていた彼氏と再会する機会があったので、問いかけてみたことがある。

「そもそもあの頃、どうして私と付き合おうと思ったの?」

 それは付き合っているときも別れてからも、ずっと疑問に思っていたことだった。

 高校時代の私は、たぶんものすごく嫌われていた。 東北の田舎町に生まれ育った私は、幼少の頃からとにかく悪目立ちする質で、それは高校に入っても変わることがなかった。成績はごく普通で、部活も運動部と生徒会という一般的なもの。容姿もどこにでもいるような冴えない女の子でしかなかった。

 それなのに他のクラスの前を通ると、言葉を交わしたこともない、名前も知らないような同級生たちが私を横目で捉えながら、ヒソヒソと悪口やよくないウワサ話に興じる空気を、しばしば感じていた。初対面の子に挨拶したら「あなたが眞駒ちゃんね、おウワサはかねがね」と嫌味が返ってきたこともあった。当時の私はというと、自分が嫌われている理由も、妙に悪名高くなっている理由も、よく分からなかった。

 今になって考えてみると、まあ単に性根が曲がっていて、オマケに人よりちょっと、子どもだったからだと思う。自我の発達が人より遅かった私は、人からどう見られているか/見られたいかといった思春期に誰もが抱く命題にはまったく無頓着で、ほとんど本能のままに生きていた。学校という小さな社会の中でそれは、不格好で異質なものに写ったことだろう。

 そんな私と対照的に、当時の彼は決して目立つ方ではなかった。際立ってハンサムでもなかったけれど、真面目で優しくて、思慮深い人だった。男女問わず友達も多く、特に、私を嫌って嗤うような人たちと仲がよかった。出会った当初は自分とは縁遠い人だな、くらいの認識しかなかった。