好きになった男性はゲイだった…。実らない片思いで得た恋愛観

ゲイ男性のことが好きになってしまった片思いする女性の画像 Liliia Beda

筆者の恋愛観には「期待しない」という基盤があります。期待しないメリットは、恋愛の悩みが激減するということ。というわけで今週のテーマは「期待しない恋愛観のすゝめ」です。その前に、「期待しない恋愛観」に辿り着いたきっかけを、少しだけ書きたいと思います。

貴女サマは、ゲイ男性を好きになったことがありますか? おそらく大半の女性が「ない」と答えるでしょう。「好きになったことがあるというよりも、そもそも知り合いにゲイ男性がいない」って人が多いように見受けられます。

確かに異性愛者の頭数に比べると、ゲイ男性は少数派。そのため、知り合いになる機会自体が少ないのでしょう。しかし東京で暮らしていると、様々なタイプの人に出会うものです。筆者にゲイの知り合いが出来たのは、20代前半の頃でした。上京してわずか数年のタイミングです。

彼は、物心ついた時から男性が好きな、生粋のゲイでした。世の中には、バイセクシャルと呼ばれる、男性にも女性にも性的魅力を感じる人々も存在しますが、彼の場合は男性オンリー。過去に一度だけ、彼に想いを寄せる女性から、半ば強引に唇を奪われた経験はあるとのことですが、なんともいえない違和感が否めなかったとのこと。そのエピソードを聞かされていたため、性欲旺盛な筆者ではありますが、彼とどうこうなろうって発想は1ミリも浮かびませんでした。

好きになった相手がゲイのため、付き合うこともできなければ、セックスすることもできません。ですが、悲しいとか辛いとか苦しいとか、そういった負の感情は一切湧きませんでした。なぜなら彼とは永遠に結ばれることはないけれども、ほかの女性と結ばれることもありえないからです。

このように、20代前半で「どうあっても実らない片想い」を経験した筆者には、「期待しない恋愛観」がカスタマイズされました。「好きな人はいるんだけど、ゲイだから何も期待できないんだよねー」という感覚です。

筆者のように、ゲイ男性を好きになるような経験があれば、「好きだから付き合いたい」「好きだからセックスしたい」ではなく、「ただ好き」を味わうことができます。そういえば中学生の頃に観た『珈琲カルナバル』という宝塚歌劇にも似たようなセリフがありましたっけ。

涼風真世さん演じる主人公に想いを寄せる秘書女性が、「あなた、カレを好きなのでしょう?」と図星を突かれるシーンで、こんなふうに返すんです。

「ええ私、ジュリオが好きです」「でも、それだけ」「これを片想いというんです(笑)」

ポイントは最後の「カッコ笑い」ですね。悲観しているわけではなく、カッコ笑い。好きだけど、どうのこうのしたいわけではなく、ただそれだけ。この感覚を持つことができると、ホンットにラクチンですよ。大半の女性は「私、○○君が好きです」「だから付き合いたいんです」「セックスしたいんです」「結婚したいんです」ってなるのでしょうけど。

ゲイ男性とのエピソードに話を戻しましょう。繰り返しになりますが、ゲイ男性を好きになると、期待しない恋愛観がカスタマイズされますよ。そして恋愛で悩むことが激減します。以上を踏まえ結論! ゲイ男性に恋をしましょう……ってわけにもいかないですよね。恋はするものではなく、落ちるものですから。