相手のことを考えるエロをしなくては。戒めになった若き日の出来事/中川淳一郎

かつて人妻の間男をしていた時の話だ。彼女は彼とのセックスはもうとうに飽きていて、僕と月に2~3回ラブホテルで会ってセックスをしていた。夫とはほぼヤッていないという。我々の相性は良かったため、3つコンドームが置いてあるホテルを使い、時間までに3個すべてを使い切っていた。彼女は様々なことを要求してきた。

口移しでビールを頂戴やら私のアソコを15分なめ続けて、に加えアナルセックスまで要求した。全部試してみたのだが、それだけ彼女にとって僕とのセックスは夫とは別の「解放された性」だったのだと思う。当時彼女は仕事が楽しくてまだ子供は欲しくない、と言っていた。だから、夫とのレアなセックスの際は必ずコンドームを使っていると言った。

妊娠に対しては慎重で、僕もそこは慎重だった。根元までキチンと着いているか確認したし、彼女があまりにも騎乗位で腰を激しく動かし過ぎると「一旦止めて止めて!」と制止し、腰の動きを止めさせ、少し上の方に行ってしまったコンドームを根元に戻した。さらに、射精のタイミング直前にコンドームをつけたまま外にアレを出し、コンドームの中で射精をした。

「そこまでやらなくていいのに。さすがにゴムつけてるから中で出しても構わないけど。あの温かい感触が私好きなの」と言われたが「いや、念には念を入れたいんでこうした方がいいですよ」と伝えた。

電話を受けて、彼女が住む街へ

そんな彼女からとある日曜日、電話が来た。「妊娠したと思う。ちょっと相談に乗って」と言われ、彼女が住む街へ。人目につかない公園で事情を聞いた。いつになく深刻な表情を彼女は浮かべている。生理が来ないため、妊娠検査キットを購入したら陽性反応が出て、それを信じたくないから産婦人科へ行ったらやはり陽性だったという。

夫には相談できないから僕に相談してきたというのだ。コンドームは着けていたはずだが、どこかでしくじったか……、これはヤバい。しかし、話はそうではなかった。彼女はセックスをした日は手帳に記載していたのだが、酔っ払った夫が強引に生で中出しをしてしまった日が排卵日にあたるというのだ。僕とセックスをした過去3回もその月の手帳には記載されていたが、こう言った。

「ニノミヤさんとやった日は、安全日だし、ニノミヤさんはいつも通り慎重に避妊をしていたから100%あり得ない。でもね、これからあと9ヶ月、ずっと不安でいるのが怖いの。100%とは言ったけど、99.999%かもしれない。0.001%でも不安は持ちたくないの。だから堕ろそうと思う。明日、産婦人科を予約したので、一緒に来てくれる?」