自分で全ての結果の責任を負える覚悟はあるか

以下、私からのお返事です。

私の場合、旅行中にパリと出会いパリに恋をして、30歳手前のギリギリで取得できたワーホリビザでパリへ渡りました。ご相談者さんと近い境遇だと思います。

ただ、もちろん旦那さんに「どうしてもパリに戻って来て欲しい」と言われてパリへ嫁いだわけではありません。「嫁いだ」という感覚も一切ないです(笑)。プロポーズはしてもらえましたが、結婚は「彼に頼まれた」というより、2人で話し合って決めたという方が自然だと思います。

さらに、彼とは旅行の際に出会ってはいたけれども、まさか結婚にまでいたるとは思っていませんでした。
私は彼のために移住したわけではないのです。一番最初の渡仏は、私自身の欲のためだったのです。←ここポイントです。

彼のために着いて行く、というのは危険だと思います。彼も「責任は持てない」と言ってくれているだけ、かなりまともな男性だと思います。

つまり、「あなたの責任で来るならきて」と言っているわけですよね。

相談者さんが悩んでいるのが、メールからもよく伝わってきました。悩んでいるということは、まだ彼を追いかける決心がついていない、だからこそ、私に背中を押して欲しい、もしくはひきとめてほしい、という気持ちがあるのでしょう。

私が相談者さんの立場だったらどうするか?についてですが、まずは「イタリア移住」について情報収集を不安が拭われるまでします。(現地在住の日本人女性のブログや、掲示板で現地在住者ならでわの悩み相談が繰り広げられていたりします)
一体どんな生活がまちうけているのか、良いこと、悪いことの状況を想像できるくらい情報を集めましょう。それが、移住への判断材料になるからです。

また、イタリアへ行った場合、どこにどう住むのか、家賃はどうなるのか?そんなことも彼とじっくり話し合わなければいけません。国によって男女折半が当たり前のところもあります。パリなんてそうです。
最悪、彼が経済的に助けてくれる分の仕事や蓄えはあるのか?なければ自分自身で食べて行かねばなりません。とはいえ、イタリアで当分は仕事はないと思ったほうがよいので、あなた自信に当分働かなくてもよい貯蓄があるかどうかも大切なことです。語学習得のために語学学校へ行く資金も必要になってくるでしょう。

イタリアはイタリアでも、都会と田舎では仕事の見つかりやすさ、外国人への差別のレベルも全く違うと思います。イタリア人の旦那さんと結婚した元同僚の女性は、あの有名な観光地「青の洞窟」近くの田舎で生活をしているのですが、地元民に唾をはきかけられたりするほど酷い差別を味わうことがあるそうです。

最悪の場合、日本に帰ることになってしまったらどうするか、を考えておいた方が心の余裕がうまれます。私はパリでどうにもこうにも行かなかった場合、田舎に帰って職業を選ばず親と暮らそうと覚悟していました。

色々調べたり考えた上で、ようやく判断の時です。イタリア行きはとうてい無理と思うか、行かないことで後悔があるか?天秤にかけてみてください。

イタリア移住は、彼が決めるのではなく、あなたが決めることなのは明らかです。一年だけ移住をトライしてみる、という期限付きも十分ありだと思います。最悪、彼との関係がうまくいかなくなることも考えて考え抜いて、誰のせいにもせず、自分で全ての結果の責任を負える覚悟ができるようでしたら、イタリアへ行ってみたらいいと思います。

厳しいことばかり言ったようですが、逆にイタリアへ行くことで思いがけない面白いことだってたくさんあると思います。
ぜひ、情報収集に精をだしてください。そして、ご決断を!またの報告を御待ちしています。

Text/中村綾花

初出:2015.05.10