子どもの目の届くところに…

やがて家の中のエロには限界があると悟ったために、図書館へと通うようになり、そこでエロいものエロいもの……と探して勘を頼りに本を選ぶという読書体験は、確実に今に生きているので、我が人生はエロから入り、エロに着地したともいえるのですが、ゆえに今季の大河ドラマにしろ、エロゲの広告にしろ、「子どもの目の届くところにあるのは虐待」みたいな論調については少し疑問がある。子どもの目に届かせたくないのは大人のほうで、実は子どもは見たいんじゃないのかと。かといって、手放しに「ママの持ってるエロコンテンツ、見たければ見てもいいよ」というのもなんか違うし、エロはこっそり見るから楽しいところもあると思うので、わたしは部屋に鍵を掛ける。見たければ、そこを乗り越えて盗み見ろ、と心の中で思いながら。

蛇足ですが、わたしはどうしてか、『帯をギュッとね』という柔道漫画のタイトルがエロく思えてしかたなかったのですが、それを女友達にいったところ、「わたしはカップヌードルって言葉がエロく思えてしかたなかった。カップ……ヌード……ヌードル」と告白されたのでした。子どものエロ変換能力はすごい。

Text/大泉りか