「ハゲ!」「じじい!」と罵り合うおじさんふたりに萌えてしまった話

大人になってから見つけた遊びのひとつが、馴染みのない街に飲みに行くことです。店の目星をつけていくこともあるし、なにも調べることなく行き当たりばったりでも、新鮮で楽しい。そんなノリでつい先日、川崎に飲みに行ってきました。

川崎には、クラブチッタにライブを観に行くくらいでしか訪れたことはなく、その際にあたりのチェーン居酒屋で飲んだことはあったけれど、しっかりと探訪したことはない。とことんやってやろうとホテルも予約し、もはやそれは飲みではなく旅行という気もしないではないですが、ついでに川崎周辺に住んでいる夫の男友達ふたりも呼び出してのニッキーアンドウォーリアーズ編成で、川崎を飲み尽くしてやると意気揚々で多摩川を渡ったのでした。

夫の男友達ふたりの様子が…?

一軒目に入ったのは、室内にはカウンターしかない中華料理屋でしたが、我々は四人組であったので、案内されたのは、木枯らしの吹く商店街の路上に出されたパイプ椅子と簡易テーブルというなかなかにハードコアな席でした。とりあえず餃子とビールを頼んで乾杯したあたりで、そちらも久しぶりに会ったという夫の男友達ふたりが、お互いをケチョンケチョンに貶し出したのです。

「ハゲ!」「相変わらず顔が長げえな!」「じいさんかよ!」「じじいはお前だ」

わたしも大概、発する言葉が汚いほうですが、それにしたって圧倒的な口の悪さに驚いているのはわたしだけで、男性陣はまったく平常運転とばかりにディスり合いながら餃子を摘まんでいます。ふたりが低音でドスを利かせて、拳を突き上げてがなるように歌うスタイルのバンドマンっていうことをさておいても、行き過ぎてやいないか。

久しぶりに親しい友達に会ったならば、「きゃーーーー! ひさしぶり!!!!」と手を繋いだ後、髪型やらネイルやらその日のファッションなりを褒め合う、みたいなムーブに慣れている身にとってはなかなかに衝撃的なやりとりなのだけど、本人たちはいたって楽しそうでもある。そういうコミュニケーション方法なのか……と飲み込んだところで、夫が言った。「あいつらのイチャイチャ、萌えるでしょ?」