ホモソにわたしは屈しない…ぞ…!
いくらブロマンス的とはいえ、目の前にいるおじさんふたりに萌えるのはいかがなものか。ホモソなんてものに、わたしは屈しないし認めない! 許さん……許……ちょっと待って、お互いに罵り合っているくせに、タバコを吸いに行くときはふたりセットだし、たまに小突き合ってるのは不器用なスキンシップって感じだし、見れば見るほど萌える。お前らなんなん……と途方に暮れたところで、男友達の片方が言ったのです。
「そういや、誰かが俺たちのライブ観に来てるひとり客の女って、男くさいやつらの男同士のイチャイチャを観るのが目的だって言ってたよな~!」
なんと、意識的であったか! 意識的にやっているわけではないだろうけれど、まったく無意識であるのと、少しは意識があるのとでは、エロさがまったく違う。断然に後者をわたしは支持する! 断固! 男根! ……ちょっと筆が滑ってしまいましたが、「じゃあな、また飲もうぜ」と夜の川崎の雑踏に消えていったふたりの背中を見送りつつ「ごちそうさまでした」と呟いたのでした。
Text/大泉りか
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