その彼と付き合っていたのは14歳の時。
しかも、彼の子供もちょうどその時14歳というのではないですか。
あの当時の彼の面影はあるのだろうか、と思いを寄せながらも、つい、いつもの軽口が出てしまったのです。

「え~、じゃあ、息子の童貞ちょうだいよ」

 途端に強張った笑顔になる元彼。
いくら冗談だとフォローしても一度生まれてしまった溝は埋まることなく、それから二度と、同窓会に呼ばれることはないまま、今に至ります。冗談も通じないだなんて、やっぱり地元は無理。
地元の民にしてみても、自分たちとはテンションの違うエロ女なんて迷惑なことでしょう。
近くて遠きは故郷。勝手に遠くまで来てしまったのは、わたしですが、もう仕方ない。

 次回は、三十路女が人生逆転をかけて結婚相談所に『愛されすぎた女』をお届けします。

Text/大泉りか

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