「AVが見たいんじゃない」って言い訳を与えたかった

――シルクラボっていうとエロメンのイメージがあるんですが、立ちあげ時当初からイケメン推しの内容だったんですか。

M:そうですね。
やっぱり一般女性には“AV男優=おじさん”という偏見があると思うんですよ。
だからまずそれを払拭することから始めようと。

 あと、AVメーカーでADやってるといろいろキツいものも見ちゃうんですよ。
一度、真夏に汁男優50人で作ったチンポトンネルをグラビアアイドルが通るっていう撮影をしたことがあって(笑)。

――ははは。女子は絶対嫌がりますよね。

M:まあ、それは極端ですけど、男性向けAVにはそういうものも存在する。
だからシルクラボで出す作品は、イケメン云々よりまず女性が違和感なく観られるものにしたいと思いました。
そこで出てきたのが、月9の恋愛ドラマの先にあるセックスを見せるようなイメージ。
それだったら、罪悪感なく楽しめるんじゃないかなと。

――その月9路線はシルクラボチームの女性みんなで話し合って決めたんですか。

M:そうですけど、すごく揉めましたよ。
「エロが足りない」とか「バラエティのほうが見やすいんじゃないか」とか。
でも素人目線で見たとき「お金を払って観るならこれだな」と。

 予算が500万あるから2本作ろうってことになって、導入部をドラマにした月9っぽい作品と、ハウツーものを2009年の夏にリリースしました。
どちらも「エロを観たいわけじゃない」って言い訳できるようなテーマですね。
最初はその2本で終わると思ってたんですけど、おかげさまで7年目に突入しました。

――結果としてその路線はドンピシャだったと。でも苦労もあったんじゃないですか。

M:苦労というか、男子社員にはよくディスられましたね~。
女性チームが会議してると覗きにきて、いろいろ余計なこと言うんですよ。
黒板に書いてある企画見て「ま、俺もけっこう売れるの作れると思うけどね!」とか。

――うわー!

M:憎たらしいでしょう?
だから女同士で「あいつの手マンは絶対痛いぜ!」って噂して、憂さ晴らししてました(笑)。

※次回は業界初の専属男優「エロメン」について語っていただきました。

Text/遠藤遊佐

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