恋愛関係は、量より質

 どうして毎日こんなに忙しいのだろう。そこまで生産的でもないのに、時間がいくらあっても足りないような気がする。忙しさは「現代人の宿命」なのかもしれない。

 そんな現代人同士が恋愛をすれば、お互いの忙しいスケジュールが壁となって顔を合わせるのも大変だ。
デートの間もメールやアップデートがスマホにひっきりなしに届くから、一緒にいても他のことばかりに気を取られてしまう。そんなあくせくした生活を送りながら恋愛をするのは簡単なことではない。

「そんなに忙しいのに、どうやって恋愛関係を維持するの?」

 一時期、仕事に押し潰されそうになっていた。
フルタイムの仕事だけでいっぱいいっぱいだったのに、夜や週末にパートタイムの仕事やボランティアまで手を出していた。
ワーカホリックだからすべて好きでやっていたが、そんなに働けば生活にしわ寄せが来る。
すべてを終えてホッとするときには寝る時間になっている。

 そして、彼氏と一日中まったく会話を交わしていないことに気付く。
そこで10分間だけ、ソファーで寄り添いながら手を握って、誰にも邪魔されない静かな時間を過ごす。
相手の体温を感じながら、今日も一緒にここまでサバイバルできたと確認する。

 最近腫瘍が見つかり、早期がんだと診断された友人はストレスフルな日々を過ごしていた。
彼は毎週病院で検査を受け、暇されあればがん治療について調べている。
これから始まる化学治療と放射線治療の副作用で、どれほどの影響を受けるのか不安で仕方がない。
頭の中ががんのことで埋め尽くされて、休みたくても休めずに困っている。

 だが、そんなときでも、パートナーとふたりきりでお気に入りのテレビドラマを見ている時間はがんのことを忘れられる。大変な時期だからこそ、そんなシンプルな時間を共有できることで救われている。
その友人は嬉しそうに教えてくれた。