「あんた、夢見てるんじゃないよ! 世の中、そんなに甘くないわよ!」

 そんな妄想はあっという間に粉々に砕かれた。
説教好きの友人は容赦なく現実へと引き戻してくれた。
見た目ばかりが重要視される社会でサバイバルするのは簡単ではない。
「みんなちがって、みんないい」だなんて口先だけだ。
そんなポジティブなメッセージが流れる横で、ルックスが完璧な人ばかりが表舞台に立つ。
世間のイケメンや美人に当てはまらない人にスポットライトは当たらない。

 ゲイコミュニティでイケてるとされるイメージとはかけ離れた友人は、「もっと自信持って、ポジティブな態度でいればモテるよ」というアドバイスをよくもらうという。
しかし、そんな言葉たちは逆に彼を追い詰める。
まるでモテない原因が彼にあるように聞こえるからだ。
「社会が多様な見た目に価値を見出せない限り、いくら頑張ったっていわゆるイケメンと同じ土俵には立てない」という彼の言葉は切実だ。

 もしいつかまた超イケメンにアプローチされたときは、もう他人に目が眩んで自分の価値を見失うようなことはしたくない。結ばれなくてもいいから、せめて美味しく食べておこう。

Text/キャシー

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