【新連載】本当にあったエロい話「3Pをしまくるようになった男」/中川淳一郎

3Pの話

こんにちは「女の煩悩」をこれまでお読みいただきましてありがとうございます。今回からは「中川淳一郎の本当にあったエロい話」と題してエロ話を書いていきます。「エロしてぇ~。でも女がこんなこと考えたらふしだらなのかなぁ……」なんて逡巡する読者の皆様に「まぁ、したかったらやればいいんじゃないですか?」ということで、エロい女性を紹介していきます。

ちなみにこの話はオレ本人の話だけってワケじゃないからな。オレが取材した話も含めてだからそこんところよろしく。毎度、一人称で「僕」と書きますので、その話に合いそうな男の顔を想像しながらお読みいただければ幸いです。

第一回目は「3Pをしまくるようになった男」の話です。普通3Pといえば「男2・女1」を想像するかもしれませんが、これは「男1・女2」です。なお、今後登場する人物名はすべて仮名です。

3Pの始まりは一本の電話から…

社会人1年目の夏の土曜日朝11時、僕の家に電話が来た。母が「誰だかよく分からないけど女の人」と電話を渡してきた。

「もしもし、近藤です。覚えていますか?」

「う~ん、スイマセン、覚えていません」

「去年、米軍横田基地のお祭りのとき、合コンした者です。A女子大の3人組の1人です」

「あぁ! 思い出しました!」

「それは良かったです。あのぉ、突然ですが、今から原宿に来られますか? おいしいカレー屋さんがあるので一緒に行きませんか? あのとき一緒だった富田もいます」

「分かりました。準備など色々あり、電車に乗るので13時に原宿駅前で待ち合わせでもよろしいですか?」

「はい、それでお願いします」

当時、携帯電話はかなり普及していたものの前年に学生だった僕と彼女たちは携帯電話を持っていなかったので自宅に公衆電話から電話が来た。正直近藤さんも富田さんも顔は覚えていなかったけど、あまりにも女性と会う機会などなかった僕は「女に会えるなら2時間かけても行く!」とばかりに準備を始めた。

シャワーを浴び、自分的にはそこそこイケてるTシャツを着て自転車に乗り、母には「ちょっと原宿に行ってくるね」と外に出た。原宿駅の改札にはおぼろげな記憶のある2人の女性がいた。

「久しぶりっ! 元気だった!?」と合コンのときも快活だった富田が言った。富田は「私はGカップもあるのよ」と終始自慢しており、この日も胸がTシャツからこんもりと隆起していた。そして、僕に電話をかけてきた若干リスに似た小動物系の近藤はあのときと同じようにこちらに目を合わさずおどおどとしていて「さっきは突然の電話ごめんなさい。富田が電話しろ、と命令したのでついしてしまいました」と言った。

僕は「いや、別に何も予定のない暇な土曜日だったのでむしろありがたかったです」と言い、我々3人は2人が絶賛するカレー屋へ。

「私たち、このカレーが大好きでさ、アンタにもたべてもらいたかったんだよね~。今日誘ってアンタも良かったでしょ?」と富田は言った。

確かにおいしいカレーだった。当然のごとくビールも飲み、カレーを食べるのだが、この場で喋っているのはほぼ僕と富田だけだった。おずおずと電話をかけてきた近藤はほとんど喋らず頷いているだけだった。ただ、ここでお互いの近況は報告しあった。僕は広告会社に入り、富田はとあるNPOに入り、近藤は大手ゼネコンに入ったという。就職活動は3人ともかなりシビアだったが、無事に就職できたことを喜び合った。

富田から突然の提案が

会計を終えた後、富田が「これから散歩でもしようよ。芝生のあるところでビールでも飲もうよ」と提案。僕たちは原宿から歩き始め、千駄ヶ谷近辺、神宮球場を通過して外苑の絵画館近くの草野球用の野球場脇の芝生にて、コンビニで買ったビールを飲みながら話しつづけた。夏だけど時々心地よい風が吹く空間で我々新社会人はさまざまな愚痴を言いつつも、楽しかった学生時代について語り合った。そんな状況下、富田が突然こう言った。

「ねぇ、●●(僕のこと)。あのね、近藤って今22歳だけどまだ処女なの。アンタさぁ、今日近藤とヤッてくれない?

僕としては、女性と性交ができることは人生至上最上の悦びのため、これを断るわけにはいかないものの、突然の嬉しすぎる展開には戸惑いの表情も見せてしまった。

「いや、アンタが戸惑うのも分かるのよ。でも、このコってね、いつかセックスしたいみたいなんだけど、まったくその機会がないの。アンタだったらこんな突拍子もない申し入れを受け入れてくれると思う。だから今日さ、近藤とヤッてくれない?」

「いや、それは嬉しいけどさ……。近藤さんはそれでいいの?」

近藤は少し黙った後、こう言った。

「あのね、私、ヤりたいんだけど、一人じゃ恥ずかしい。富田さぁ、一緒に来てくれないかなぁ?

これには僕も富田もぶったまげたが、富田が「アンタさぁ、こういうのは1対1でやるものよ。そして人に見られてやることじゃないのよ。アンタ大丈夫?」と言うも近藤は「でも私、富田がいないと不安……」と言う。

僕と富田は顔を見合わせ、「じゃあ、3人でラブホテルに行くか」と言い、外苑の芝生からほど近い地下鉄銀座線・外苑前駅に向かった。最終地点は渋谷・円山町のラブホテル街だ。駅までの道、地下鉄の中、渋谷駅から円山町までの道中で喋っているのは僕と富田だけだった。近藤は終始うつむいて緊張している。

「処女喪失は愛している男とやるべきなの」といった逡巡をしているのかもしれないが、彼女も僕とヤることを決めたのであれば、そこはもう腹をくくってほしいと思った。どうせ、エロなんて一生で何度もやるのだからたかが「最初の一回」というだけの話だ。「処女信仰」なんてもんはバカバカしい。

正直こちらも「なんで女2人と一緒にラブホテルに行くんだよ!」とギョーテンはしていたものの、成り行き上仕方がない。