こうした経験を重ねて、あることに気付いた。
初セックスをするタイミングにそこまで影響力はない。
まんまと影響されたのは、恋の駆け引きに気を取られすぎた自分だった。
それ以来、セックスに対するスタンスを変えた。
自分と相手がやりたかったらやる。どちらかがやりたくなかったらやらない。
プレッシャーはかけないし、逆にかけられても動じない。
セックスで終わる関係もあれば、セックスで始まる関係もある。
人間と人間、もっとオーガニックでいいんだ。

 結局、セックスはそこまで大げさに騒ぎ立てるほどのものではない。
タブーなもの、卑猥なもの、口にしちゃいけないもの、大事に取っておくべきものと、セックスには様々なラベルが貼られている。
気をつけないとそのラベルに流されて、そこにない意味に惑わされる。
初セックスのタイミングなんて、私たちが思うほどに大事ではない。
下らないラブゲームは、ベタなラブコメの中に引っ込んでいればいい。
セックスにこびり付いた余計なラベルは全部剥がして、自分のものにしてしまおう。
そっちの方がよっぽど大切だ。

Text/キャシー