早期発見で90%以上は治る

 乳がん検診の費用は医療機関にもよるけれど、視触診、マンモグラフィと超音波検査(エコー)のセットで、だいたい1万円くらい。自治体や会社が行っている検診では、無料や低価格で検診が受けられることも。
そういった制度を大いに活用してくださいね(ただし、自治体の検診は視触診とマンモグラフィのセットで、対象は40歳以上です)。

 乳がんは女性で最も多いがんですから、危険因子を持っている人(連載第21回で紹介)はもちろん、30歳を過ぎたら検診に関心を持ちたいもの。第21回で紹介したセルフチェックを行いながら、1~2年に1回は、医療機関で検診を受けるのが理想的です。

 もし、乳がんと診断されても、早期発見で適切な治療を受ければ、90%以上は治ると言われているわ。
がんの中でも乳がんは比較的治りやすいものなのよ。現在では手術療法、放射線療法、ホルモン療法、化学療法(抗がん剤)など、さまざまな方法があります。

 昔は乳がんの治療というと、乳房をごっそり切除していたけれど、今は乳房を残す「乳房温存術」が主流。
女性の象徴と考える人が多いバストを喪失することによる、精神的な負担は軽くなっています。

 とはいえ、がんになれば将来や仕事の不安も山積みだし、抗がん剤による治療を行った場合、卵巣の機能が低下して将来妊娠しにくくなってしまうことがあります。だからこそ、早期発見! 乳がんは自分で発見することのできる数少ないがんよ。日頃のセルフチェックが一番の検診になるってこと、忘れないでくださいね。

 次回は、「巨乳の人の方が乳がんになりやすい?など胸全般の疑問」についてお届けします。

監修/松村圭子先生
Text/平川恵

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