「体の記憶」にまつわる話

街中でふと感じた香水や柔軟剤の香りで、過去に致した人を思い出したことはありませんか。もうすっかり忘れたつもりでも、ギュッと抱きしめられたときの感触やキスのしかたが一瞬でよみがえって心がザワザワ。そんな経験がある人は少なくないはずです。「体が覚えている」という表現がありますが、これはあながち間違いではない気がします。
脳は、触れられた感触や香り、声、そのときの感情を記憶しますが、特に嗅覚は感情や記憶を司る領域と深く結びついているため、香りが過去の相手との思い出を鮮明によみがえらせることもあります。
そんな「体の記憶」にまつわる話でいつもモヤモヤしてしまうのが、SNSでもたびたび話題になるアノ話。「女性のアソコがパートナーの形になる」「浮気すると別の男の形になるからバレる」といった “腟の形状記憶説”です。SNSでは「実際に女性パートナーの腟の形が変化したことがわかった」と語る男性も出てくることもあるため、信じてしまう女性もいるようです。
腟の形状記憶説は本当か…?
結論から言うと、現在の医学ではこの“腟の形状記憶説”を支持する根拠はありません。腟のまわりには筋肉や弾力のある組織があり、セックスでの挿入中には伸び縮みして男性器を受け入れます。しかし、筋肉には触れたものの形を記憶して残すような働きはありません。よく考えてみたら、肩の筋肉を毎日15分間揉んでマッサージしても、肩に手の形が残ることはありませんよね。そんなシンプルな話なのに、性器の話になると「形が残ることもあり得るのかも……」と思ってしまうのが面白いですよね。
では「パートナーの腟の形が変わった」と一部の男性が感じてしまうのはどういうことなんでしょうか。私はその証言が嘘だとは思っていません。ただし、腟に形が残ったとも考えていません。私の持論は次のとおりです。ここからは医学的に証明された話ではなく、私個人の意見として聞いてください。
なぜ膣の形が変わったと感じるか?
ひとつは、女性が男性器を受け入れるときの“構え”の姿勢が相手によって変わるからではないかと思っています。男性器は人によって長さや太さ、硬さ、形が全く違います。そして、挿入する際の角度や押し入れる圧力もひとりひとり異なります。そのため、女性は無意識のうちに骨盤底筋の力の入れ方や骨盤の角度や腰の使い方を変えながら、入ってくる男性器に合わせて調整しています。別の相手がいることで、いつもと違う“構え”の姿勢を取ってしまい、男性が受けるフィット感が変わることはあり得るかもしれません。
また、直前のセックスで性器が充血した状態から完全に元に戻りきっていなければ、その影響が一時的に残っている可能性も考えられます。
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