本当に海外では当たり前なのか?デリケートゾーンのケアは必要か(後編)/BETSY

ここ数年で「デリケートゾーンのケアをしないなんてありえない」「ケアしていない女性はヤバい」といった煽り方でのSNS投稿やPRが増えていると感じていますが、デリケートゾーンのケアって本当に必要なんでしょうか。

前回もお話しした通り、デリケートゾーンのケアは絶対にしなければならないものではないと私は思っています。顔と同じように、何もしなくても常に絶好調なら専用のものを買ってまでケアする必要はないですよね。ただ、乾燥やかぶれなどのちょっとしたトラブルを感じやすい部分なので、簡単な洗浄&保湿ケアで環境がグッと良くなることも多いのは確かです。私自身も、洗浄&保湿のケアで生理による肌荒れを感じにくくなってきたと実感しています。

ただ、「海外では当たり前だから」などと本当かどうかわからないことを理由にケアを押し付けられるのは、あまりいい気持ちにならないものです。海外では本当にデリケートゾーンケアが当たり前なんでしょうか。特にフランスやイタリアのケア事情と比較されることが多いようなので、ちょっと調べてみました。

水道水が硬水であるフランスやイタリアでは、水質によって髪や肌が荒れることを理由に、毎晩お風呂に入りません。その代わり、男女関係なく排便後やセックス後、寝る前などにビデ(便器に似た洗浄器)で股間を洗い流す習慣があるそうです。女性の場合は生理の時にも1日に数回股間を洗います。VIO脱毛の点で見ても、ヨーロッパではレーザー脱毛ではなくワックス脱毛が主流です。敏感肌用とはいえ、ワックスを塗り一気に剥がすことで肌へのダメージもあるはず。そういった事情もあり、弱酸性のデリケートゾーン専用のソープや保湿剤が必要になるわけです。日本とは全く違う生活習慣を持つ国と比較して、日本人も当たり前にやるべきだと言えるでしょうか。

美しくないとだめ?

また、最近ではデリケートゾーンケアの美容化も劇的に進んでいます。保湿するだけではなく、美容液やパックやエステなどで美しいデリケートゾーンを目指すことができるそうです。デリケートゾーンも顔と同じように皮膚が弛みますし、摩擦によって色素沈着が起こり、乾燥によるシワができます。自分の体の一部として、顔と同じように良いコンディションを保っておきたい気持ちはよく分かります。

しかし、「下(外陰部)と顔は繋がっている。下が潤っていないと顔も潤わない」「顔ばかり綺麗にしても股間が老けていたら残念」といった表現で「デリケートゾーンの美しさや若々しさを押し付けるのは「顔のシミが増えたら夫に抱いてもらえない」といった悪質なネット広告と同じですよね。