恋愛の「自由化」はもっと進む!

 そして少女マンガの黄金期70年代にさんぜんと登場したボーイズ・ラブは、今や一大ジャンルです。そのため、少女マンガ界ではかなり昔からジェンダーフリーな恋愛観でした。

 秋里和国さんは一般誌でBLを描いていた1人ですが、『THE B.B.B』は、ゲイ男性が主人公女子と主人公の義兄を取り合う話です。お父さんが専業主夫だったり、同性同士の恋愛が当たり前の世界を描いた物語もあります。
『カードキャプターさくら』も、性別や年齢関係なく大らかに人を好きになるお話でした。
80年代に大ヒットしたジャンプの『ストップ!! ひばりくん!』はフツーの少年が女の子として高校生活を送る作品です。現在ではLGBTという言葉も浸透してきて、いろんな愛の形があることが周知されてきましたよね。マンガ界ではもう何十年も前からそれが当たり前でした。

 性別に大らかなら、年齢にも大らかになってきました。

 『きょうは会社休みます。』で10歳年下大学生と処女のOLの恋愛が描かれたと思ったら、『逃げるは恥だが役に立つ』では、20代男子と50代処女の百合ちゃんが恋愛関係になりました。『月と指先の間』の主人公アンは、55歳のマンガ家。めちゃくちゃ恋愛現役で、せいぜい30代にしか見えません。アンがすっかり老いさらばえた月影先生より年上というのが衝撃です。

 40年前には1つ2つ男が年下ってだけでワーワー言っていましたが、年下男解禁の末、10歳、20歳差が登場するようになりました。(80年代に16歳年下男子との恋愛を描いた『砂の城』という作品がありますが、めちゃくちゃ年齢が障害になります)。
マンガが新しい常識を創り出し、現実がそれに追随してきたことを考えると、この先も恋愛の自由化はもっと進むでしょう。

 次はなにが解禁されるんでしょうか。
年齢差恋愛が解禁されるのは間違いない。
同性同士ももっとオープンになっていくはず。
結婚のカタチも変わるかもしれません。離婚も昔よりは当たり前になってきたし、ポリアモニーなんて言葉も出てきました。

 恋愛の形が自由になったということは、いろんなチャンスが無限にあるってことですよ。
自分に合う恋愛の形や相手が、どこかに絶対いるはず。そう思うと、ちょっとワクワクしますよね。