夫婦でどう生きたいかを考えた結果、家電にお金をかけた話/元鈴木さん

洗濯している女性の写真

 夫婦の喧嘩にも意味があるものとないものがあると思う。
その中でも、家事が原因で喧嘩することほど結婚生活において無駄なことはないと思っている。
今でこそ顔を見てはいちいちキスをして、キャッキャウフフと生きている私たち夫婦も、家事が原因で互いにイライラしていた時期があった。
しかし、ある時思い切って買った家電がきっかけで一切イライラしなくなった。

 その買い物のおかげで、まるで動物園で2匹のパンダがひたすらじゃれあって一生を過ごすように…今や平和に楽しく生きられるようになったのである。

皿洗いでイライラ

 私は3年前まで、現在の旦那と同棲しながらイベントコンパニオンとして展示会場で働いていた。
朝の9時から17、18時まで硬い床の上をハイヒールで立ち続け、常に笑顔で、誰の気も害さないように努めながらブースを案内する仕事だ。
一見華やかに見えて、実は表情筋からつま先まで全身の筋肉が凝る肉体労働である。
仕事を終えてノコノコ帰れば20時になっていたりするのはザラだったが、帰宅後はどんなに疲れていても早く帰ってきた方(大体私だ)が夕食を作っていた。
なぜなら当時ゴリラは体重が120kgあり、動物園のゾウくらい食べ物を消費する大食漢だった。
外食なんてしていたら、破産間違いなしだった。
毎日料理をすれば必然的に洗い物は毎日出てくるというわけで、
当然私達も洗い物を巡って争ったり、お互い不機嫌になることがあった。

 同時に洗濯も洗い物と同じく、不機嫌を作る原因だった。
当時暮らしていたアパートでは縦型洗濯機を使っていたので、洗濯が完了するのに30分、干すのに15分はかかった。
2回洗濯機を回そうなんて考えたら1時間半もかかる。

 いつだってこの2つの家事は私達を苦しめてきたし、お互いに言いたくもない小言を言わせる原因だったと思う。