3. やりたいことのためにやりたいことを諦める

oyumiイラスト
oyumiイラスト 鶴田謙二や江口寿史に憧れて描いていた時期

絵を描く人って、だいたい「憧れの漫画家やイラストレーター」がいて、例えば私なら当時は鶴田謙二にものすごく憧れてたので絵柄が今とかなり違いました。そのあとは岡崎京子にハマって、ハマりすぎた結果「パクリ絵」になってしまう始末。絵柄がコロコロ変わることって、イラストレーターにはあっちゃならないことです。

そんな中「この目で統一しましょうよ」と知人に言われたのが、今みたいなシンプルな縦線の目の顔でした。いやいや鶴田謙二がいいんだよわかってくれよと思いながらはじめは嫌々この目で描いてましたが、不思議なことにフォロワーは増える。なんなら仕事の依頼がくるようになったのも、このタイミングでした。

「この人はこの絵を描くんだ」「この絵を描いてるのはあの人だ」

そう思ってもらえて初めてイラストレーターの実感を覚えました。
何をとって何を捨てるか。何がウケて何がウケないか。このバランスをうまくとるのがものすごく大事だと今も心掛けてます。

音楽も意外とそうなんですけど、みんなやりたいことやってるかっていうと実はいろいろ諦めているんですよね。私は奥田民生が好きですけど「井上陽水の声は楽器みたいで羨ましい」みたいな発言が本に残っています。
ちなみに彼は即興でギター弾いて歌うのが苦手だったらしく、「しかしそれができなくてアーティストなんか名乗れるか」とか言ったり、ラブソングは邪道だけどある年サザンがそれで大ヒット出したときは自分も自分なりのラブソングを書いたとかなんとか、やっぱり売れてる人は売れるための努力をしてるんですねえ。(若干うろ覚えです)

4. 良いものを描けば必ず評価されるし、仕事も来る

やりたいけど下手なこと向いてないことはやっぱり評価されないから潔く切らなくちゃいけない。でも嫌々やったことやビジネスとしてやってみたことが評価されてたくさんファンがついてくれたりする。そうするとやりがいが出てきて楽しくなってくる。

仕事をもらうために必要なノウハウはきっとあるんでしょうけど、良いものは必ず評価されるし、良いものは自然と自分を誰かと結びつけてくれる、気が私はします。
Twitterではフリーランス向けに日々ノウハウやナントカ論をツイートしている人をよく見かけます。でも私はそんなものを読んで「参考になる!」と言ったところで、「英語の効率良い勉強法」を読んで英語の勉強した気になっているのとおんなじだと思っています。(高校時代めっちゃそれでした)

でもなにか一つアドバイスするとしたら、
「締め切りだけは絶対に守れ。守れないなら最初に言え」
です。やれないのにやれます!だけは私は言わないようにしています……。