Loading...

私にとって「オバサン」は“解放された女”。でも夫が嫌がるのはなぜ?

解放された女

先日、夫と一緒に出掛けた際のことでした。マンションのホールでエレベーターを待っていると、わたしの頭をしげしげと見つめて夫が言ったのです。「髪型の展開、どうするの?」と。

わたしの今の髪の毛の長さは、鎖骨の下5センチくらいのセミロングなのですが、忙しさにかまけて、実はもう半年くらい美容室に行けていない。だから毛先はバサバサだし根元は黒くツートンになっている始末。
さすがに見苦しいかと、少し気まずい思いで、「そろそろ美容室に行きたいなって思ってるけど、毛先を揃えるくらいで現状維持じゃない? 年齢的にあんまり長いのもちょっと似合わない感じだし……」と言い訳がましく返したところ、「え、年取ったら長いのってダメなの? 年齢と長さって、関係なくない?」ときょとんとしているのです。

まったくその通りで、髪型と年齢は関係ない。50歳だろうが60歳だろうが、黒髪ぱっつんロングヘアでもスパイラルパーマのワイルドロングヘアでも、したいのならばすればいい。うっかり自分に呪いをかけるような発言をしてしまったことに、はたと気がついて反省した次第なのですが、うちの夫はこうした年齢をエクスキューズにした発言だけではなく、わたしが「オバサン」や「ババア」を自称すると、とても嫌な顔をするのです。「ババアとかいわないで」「オバサンはやめて」といちいち注意されるのですが、これらの言葉に関しては、わたしは自虐的に使っているわけではなく、むしろ誇りに思う気持ちで使っている。

わたしが「ババア」を自称する理由

というのも、わたしにとってのババアというのは、“解放された女”を言い現わす言葉なのです。男性に対して愛想笑いをしたりサラダを皿に取り分けたり自慢話に「すごーい」などといった相槌を打つことを辞めた一方で、それなりに貫録が身に着いたお陰で、生意気などと言われないようになり、もしも言われたとしても、正面切って言い返せる。

以前に比べると、確実に清々しく生きやすい思いを抱いているこの状態は「ババア最高!」としか言いようがなく、同じようにアラフォーになって生きやすさを手に入れた、若干口の悪い女たちとは、常々「ババアは、クソ楽しい!」と共感し合っています。が、「ババア」が誰にとってもいい言葉でないことは知っているし、それ聞いて嫌な気分になる人の前で、あえて使いつづけるのは、露悪的な行為だと思う。
同年代や年上の女性でも「ババア」という言葉に抵抗がある人がいることもわかっているので、「ババア最高!」という感覚が共有できる女友達の前でしか「ババア」は使わないでおこうとも思っています。さて、気になるのは、なぜ夫は、妻であるわたしが「ババア」「オバサン」を自称することを厭うのか、ということです。

前後の連載記事