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  • 2018.01.04

女はプレゼントで男はセックス・・・世の中の「愛のものさし」は本当か?

彼からのクリスマスプレゼントって曲者です。彼が一生懸命選んでくれたものでも、自分があげたものとの値段の差が気になってしまったり。でも、微妙に気持ちになってしまうのはプレゼントのせいではなく、彼の愛情をプレゼントで測ってしまう自分のせいかも。白井瑶さんがクリスマスプレゼントについて考えたこととは。

恋人の儀式

プレゼントの画像
by freestocks.org

 あけましておめでとうございます。

 この記事がでるのは2018年の始めだけれど、原稿を書いているのは2017年の末。ちょうどクリスマスイブの深夜だ。
インスタ映えするスポットは、今日はほとんどカップル専用。道行くカップルたちは皆紙袋をぶら下げている。『クリスマスは恋人どうしでプレゼントを贈りあう』。世間が定めた、楽しくて特に理由のない恋人のルール。

プレゼントの値段は愛の値段か

 2017年に解散したSMAPの曲に、こんな歌詞がある。

「男は女の子のこと知らなすぎるよ 教えてあげましょう 愛さえあればいいと言いながら プレゼントの値段だけで気持ち計ってる」(KANSHAして- 1995年)。

 この歌詞を見てどう思うだろう。そんなことないと断言できる人もいるだろうが、わたしはそうは言い切れない。贈り物の値段で愛を計るなんて、いかにも計算高くて金目当ての女みたいだ。でも、目に見えない「愛」なんてものを他に何で計ればいいのだろう。言葉? 会う頻度? それとも連絡のマメさだろうか?

 ある年のクリスマスに、わたしが用意したプレゼントと、彼が用意したプレゼントの値段が数倍以上も違ったことがある。彼は、誕生日はきちんと祝うが、クリスマスはケーキを食べて、軽いプレゼントを交換すればいいと思っているタイプだった。

 もちろん彼は悪くない。けれど、当時のわたしは本当に悲しくなってしまったのだ。今思えば、自分の中にしかない基準で彼を試して、事前の告知もなしにジャッジしたのだから、ほんとうに自己中心的である。

 一方で、男友だちからこんな愚痴を聞いたことがある。色々取り払って書けば、「彼女がセックスさせてくれない」という話だ。
月に1度くらいは誘いに応じてくれるものの、他の日は生理でもないのに拒否されるらしい。ハグやキスはしていて、「あなたが好き」とも言われるのだが、セックスはやんわり断られると。わたしは、単に彼女がセックスを好きじゃないだけで、彼のことは好きなのだろうなと思った。だが彼は、彼女の愛情に疑問を抱いて、数ヶ月後に別れてしまった。

男と女の愛のものさし

 このふたつの出来事で、「女はプレゼントの値段、男はセックスの受入れで愛情を計る」をわたしはしばらく持論としていた。今は「まぁ、そういう人もいる」という程度で、すべての男女に当てはまるような話でもないと理解しているけれど、一時は本気でそう信じていた。

 わたしはセックスにそこまで興味がないので、性欲旺盛な恋人がいた時は大変だった。気が乗らないことも多かったけれど、「男はセックスの受入れで愛情を計る」を信じていたから、拒否することはできなかった。それが当時のわたしなりの、恋人への誠意だったのだ。

 この連載を読んでくれている方はお気づきだろうが、わたしは「普通はこうだからこうしなきゃ」という意識がおそらく人より強かった。普通に結婚したかったし、普通の女の子になりたかったし、普通に良い彼女になりたかった。だから、彼の性欲にも必死で応えていた。

 思えば、「普通に良い彼女」の合格点を出すために、プレゼントを選んだり、優しい言葉をかけていた。それは相手を思っての行動のようで、そういうタスクをこなせる自分に安心感を抱きたかったのだ。たまに聞く、「プレゼントは自作の詩です」なんて自己満足のプレゼント(いや、受け取る側もそれが欲しいのなら何も文句はないのだけれど)と方向性は同じだと思う。

 セックスはともかく、プレゼントの値段は事前にすり合わせればいい。色々遠回りをしたけれど、今やっと「彼が喜んでくれたら嬉しいな」なんてことを考えられるようになった気がする。「男」ではなく「彼個人」が、だ。
向き合わなければいけないのは、いつだって「男」でも「女」でもなく目の前の個人だ。

(この原稿を書いている時点で)明日はクリスマス。平日とはいえ、多くのカップルが楽しい時間を過ごすのだろう。ちなみにわたしは12時間労働の予定である。


Text/白井瑶

ライタープロフィール

白井瑶
ゆとりのアラサーOL。
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