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「あいつらお洒落で羨ましいな」それでも自分の“好き”を大切にしたい

長井短の画像

つい何日か前、久しぶりにたくさんの初対面の人たちとの飲み会に参加した。

いつも通り過剰にドキドキしながら席に座ったけれど、拍子抜けするくらい、そこにいる人たちは良い人だった。私よりも少し年上で、優しい大人たち。いろんな職種の人がいて、年齢もちょっとずつ違って、出身も違う。既婚者もいれば独身の人もいて、それぞれ違う話し方。

ただ、一つだけ共通することがあった。お洒落なのだ。揃いも揃って、とにかくめちゃくちゃお洒落。

プロフィールごとお洒落な人間たち

そのことに気がついたのは飲み会が始まって1時間を過ぎた頃。もちろん最初から、素敵な服を着ているな〜とか、良いメガネだな〜とか思ってたけど、その次元ではない。この人たちは、たぶん頭の中からお洒落だ。雷が落ちた。

お洒落・・お洒落・・・お洒落・・・・

こいつらお洒落だと気付いてから、もう一度一人一人をよく観察してみた。職業は・・編集者、プレス、スタイリスト、はいお洒落。それはもうお洒落。お住まいは・・三軒茶屋、中目黒、祐天寺、はいお洒落。それももうお洒落。

話し方は・・「あ〜そういうこともあるっスよね!」ス よ ね ?! スの後に2文字?! そんなんもう逆に超お洒落。あ〜なんだこれ、めちゃくちゃお洒落じゃねーか。どうなってんだよこの焼き鳥屋。

そうは言ってもだ。私だって負けてないはずだ。冷静になれ。私にだってお洒落要素はきっとある。なんせ私は25歳の演劇モデル。演劇モデルという私が生み出した謎の肩書きはダサいけど、私はモデルで女優なのだ。

どうだ! 今! はっきりと言ったぞ! 私は25歳の女優兼モデルです! オールナイトニッポン0のパーソナリティーもやってます! コラムも書いてます! どうだ! お洒落だろ!! カルチャーだろ!!!

「お前の鼻はバスキアだわ。で、お前のはウォーホル。」
→みんな爆笑

うわああああああああ!!!!!
なんだそのユーモア!! やめてくれ!! バスキアとウォーホルの鼻?そんなもんすぐ頭に浮かぶ? 浮かばねーよ!!!

人の鼻を見て、バスキアやウォーホルの鼻に似てるなんて、今まで生きて来て一度も思ったことがない。そもそもバスキアとウォーホルの顔だっておぼろげだ。

言われてみれば、なんかデカい鼻してたっけ? 私は、バスキアとウォーホルの顔を記憶しない人生を送って来たのだ。記憶する人生と、記憶しない人生、どっちがお洒落だろう。答えはもちろん前者だ。バスキアとウォーホルの顔を覚えている人間の方がお洒落に決まっている。ならば二人の顔を覚えたいと思う。ついでにキース・へリングの顔も覚えておいた方がいいだろうか?

でも、今となってはそんなことなんの意味もない。それがお洒落だと知ってからやることなんて、もうダサい。お洒落の足は早いのだ。しかも鮮度が命。

扱いづらいな! そんな扱いづらいもんを、この人たちはいともたやすく調理している。しかも仕上げに、スプーン一杯のユーモアまでふりかけて。どうなってんじゃ! 出身は兵庫だという。兵庫には、そういう教育があるんですか? 言っとくけどこっちは東京生まれ東京育ち、生粋のシティ(郊外)ガールよ? なのになに? なんなのあんたたち?

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