独身の人生が「ライフイベント低発生系ゲーム」になる問題

結婚式を祝う画像 Chris Dickens

就職、結婚、出産、転職……世の中には「ライフイベント」とよばれる様々な事象が存在するけれど、独身者が「ウッ」となる瞬間って、自分にこの「ライフイベント」がなかなか訪れないことに気付いたときなんじゃないだろうか。
まわりの人にライフイベントが発生すると、ゲームでいうなら1面をプレイしてたのが2面に進んだみたいに見えてしまう。アイツもう6面まで行ってるのに、オレまだ3面だよ! と、そういう焦燥感に駆られたことがある人は少なくないのではないだろうか。

独身でも、バリバリのキャリア組なら転職! 独立! 起業! みたいな華やかなゲーム展開が可能だけど、私自身をはじめ、多くの人は決してそういうタイプではないだろう。

私たちは全員、プレイしているゲームが違う

「独身のライフイベント低発生問題」について先に私が考えた結論をいってしまうと、この「ゲームステージに差がついている感」は、完全なる錯覚だ。
そもそも私たちは、一人一人プレイしているゲームが違う。同じゲームをプレイしていると思うのがいけないのだ。ステージを次々に進めていく(ように見える)彼らを横目に「アイツは6面……オレは……」と悩むのは、こちらはオセロをやっているのに、テニスの試合を見て焦っているようなもの。

結婚や出産を経るライフイベント“高発生系”ゲームも、独身者のライフイベント“低発生系”ゲームも、ゲームはゲームであり、実のところ難易度に差はない。ただライフイベント低発生系ゲーム独自の難しさとして、「節目がわかりづらい」というのはある。
ライフイベント高発生系ゲームは、結婚ならば届を出したり式を挙げたり、何かと「節目」がある(しかもそのたびにまわりの人に祝福してもらえる)ので、「っしゃ! こっから4面だぜ!」って自分もまわりも気が引き締まるけど、独身者がプレイしているゲームは節目がわかりづらいので、延々と3面をループしているような気になりがちだ。